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彼女からの預かり物

 私には、年に何度か集まって近況を報告しあう友人がいる。既婚、未婚、バツイチ、シングルマザー、それぞれの人生を送って、それぞれの日常のあれやこれやがしんどくなる頃、都心の一室でホストの手料理にもてなされ、普段と違う贅沢な時間の中で癒やされて、話をして、反省したり励まされたりして、また日常へ戻って行く。

 そんな会も、今回はちょっと特別で、突然旅だってしまった彼女を偲ぶものだった。前回集まったのがちょうど一年前。たった一年の間に、彼女はいなくなってしまった。

 先日、部屋を整理していたら、一年前の会の時「なおして欲しい」と預かった、ネックレスが出てきた。留め金がバカになってしまっていて、留め具を探さなくちゃなと思い、そのままにしていた自分に青ざめた…。でも、これが今自分の手元にある事に、何かの意味があるのかな…。と、都合の良い解釈をして、これは皆に分けなくてはと思った。

 いつも、会のお土産に手作りの物を用意しているので、今回は、ネックレスのパ-ツをバラして刺繍をして、アクセサリー入れを作った。

 
 彼女からの預かり物、「ちゃんと皆に渡してね。」って事だったのかな…?
そういう事にしておこう。

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