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〝今年はお花見ができないんだね〟。そう言っていたのが3ヶ月前。正確には、できないのは「花宴」であって、「花見」はできるのだった。自宅の近くでも通勤途中でも。ひっそりとあるいは爛漫と咲く桜。しかるべき季節となれば人間の事情に関係なくその姿を見せる。だから酒肴のあるなしは関係がなくて、逃げずにそこにいてくれる健気さと気高さにこちらが気づけるかだろう。間もないはずの梅雨明けを待ちながら各地での大雨災禍を見聞きする日々。去年までは疑いなく無邪気に楽しんでいたことができない年。試練という共通の糸で記憶を少しさかのぼると、あの桜の季節が頭に浮かんだ。〝今年はお花見ができないんだね〟。

〝さ〟で始まる言葉:桜

#エッセイ #日記 #桜 #梅雨明け #で始まる

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