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同業他社とライバルは似て非なるものなり!
昨夕の日経新聞の一面にドーンとこんな記事があった。
不用品再生 宝生み出す
漂着ボトルや着物 変身
「アップサイクル」脚光 ビジネスの芽に
その記事には、着物日傘を差した女性の姿もあり。
その記事を見て、オットが悔しそうにこう言った。
「おい!ライバルに先越されたぞ!同業他社では、ビジネスモデルがもう出来上がってるぞ。」
確かに同業他社なんだけど
オットは、私の気持ちを推し量って同情してくれたのかもしれない。
けれど、まったくもって私はその言葉がけにピンと来なくて。
確かに着物リメイクで日傘を作っている会社は、「同業他社」かもしれない。
けれど、同じアイテムを扱っていても、目指している方向性も、事業のコンセプトも、規模も、立場もまるで違うのだ。
同じ土俵に、立っていないのでは?
私は記事で紹介されている会社は知っていたけれど、「ライバル」だとはこれっぽっちも思っていなくて。
いや、正確に言うと、「今は」気にならないと言った方がいいのかも。
1年以上前までは、着物リメイクで日傘を作っている人や会社がネットなどで取り上げられているのを見つけると、なんだかモヤモヤして、気分が落ち着かなかった。
今思うと、きっとそれは、ライバルに対する嫉妬から生じる焦りだったのだろう。
私の方が先に始めた活動なのに、、、なんで?
私の方が「リメイク」に対する想いが強いはずなのに、、、なんで?
そんなちっぽけなプライドで張り合おうとして、結果が伴っていないことに気持ちがズタズタに切り裂かれた。
私は2013年に起業をして、2014年からはオーダーを受けて着物で日傘を作るようになった。
最初は個人で着物日傘を作っている人がほとんどいないというもの珍しさもあって、色んなメディアの方々に取り上げて頂いたりもした。
身の回りのものをリメイクするのが趣味で、面白くって。
日傘を作るようになってからは、それが面白すぎて、作っても作っても飽き足らず。
ありがたいことに、その頃は制作が追い付かないくらいオーダーも来ていて、完成まで最高で1年近くお待ちいただくこともあった。
オーダーメイドの着物リメイク日傘制作は、私の天職だと思った。
その後紆余曲折を経て、世の中に日傘を手づくりする人や会社が増えていくのと反比例するように、私へのオーダーは少しずつ減っていき、今に至る。
作家活動休止を決めて、また再開するまで
オーダーが来ない
→ 私はもう世の中に求められていない
→ 私の存在価値なんてもう何もない
1度そう思ってしまうと、どんどん気分が落ち込んでいった。
まさにマイナスの無限ループだった。
そんな折に感染症の流行が始まった。
そして、「ステイホーム」が叫ばれ、半ば強制的に家にいる時間が増えた。
「これで制作に充てる時間も増えて良かった!」と当初は思った。
けれど、不思議なことに、あれだけ足りないと思っていた時間が増えても、いっこうに自分から作品を作りたいと思えなかった。
私は一体どうしてしまったんだろうか。
思い悩んだ末、思い切って作家活動を休んでみることにした。
休業宣言をすることは、自分に「ダメ人間」の烙印を押すような辛さもあった。
が、同時に何かが吹っ切れた。
それからは、とにかく自分を甘やかして、今まで時間がなくてできなかったことに色々とトライしてみた。
それがとても楽しくて、いつの間にか私の心の中は「幸せ感」で満たされていった。
あんなに好きだったモノづくりをしなくても、今は十分幸せなのだから、もうこのまま作家活動をやめてもいいな、フェイドアウトしちゃおうかとさえ思った。
そのフェイドアウトを引き留めて、作家活動を復帰するきっかけを作ってくれたのが、ある友人からの言葉と1つのオファーだった。
友人はありのままの私を認め、励ましてくれたことで、また前向きな気持ちになることができた。
もう1つのオファーというのが、実は日経新聞の記者さんからの取材のオファーだった。
当時はまだ休業宣言中だったにもかかわらず(それを知らずに?)、私の着物リメイクの日傘制作の活動に興味を持ってくださったのだ。
取材を受ける中で、改めて自分が今までリメイクにどんなこだわりを持ち、作品を通して見てくださる方に何を伝えたかったのかの「想い」の部分が整理できた。
そして記者さんが私の着物日傘の作品を見て、心を動かされたことを知ったことで、私が私であることを受け入れ、認めてくださったような気がした。
ちなみに取材を受けて作られた記事は、今年の4月に掲載された。
頑張らない頑張り方
まだまだ、私には自己表現をする場所がある。
私の作品を見てみたいと思ってくださる方は、きっと世界のどこかにいるはずだ。
作家活動を再開するにあたり、今までとは意識をガラリと変えた。
今までのように日傘制作をオーダーを中心とするビジネスと捉えず、日傘をアート創作として自分の世界観を表現することを第一に置く作家活動であるという意識を持つことにした。
これは多くの人から見れば、「ダウンサイジング」「ダウングレード」かもしれない。
けれど、現実として、私の中では、ビジネスとしての日傘の受注制作サイクルは破綻した。
それでもなお、「作りたい」と思う。
だったら、細く長くでも、創作を続けるために私ができることをしよう。
人からどう見られようとも、自分がやりたいように生きる。
ビジネスとしては失敗でも、アーティストとしてはまだまだ終わっちゃいない。
私の夢は、個人事業を会社化、システム化して、大きく繁栄させることではなくて、リメイク作品を通して、世界中の人の心を感動させるような世界を作ることだ。
言葉が通じなくても、心を動かすことはできるはず。
「ナンバーワンよりオンリーワン☆」
これが私のモットーだから。
今までの私は、目標達成のためにはひたすら歯を食いしばって、苦手なことも大変なことも「がんばる」がデフォルトだった。
でも、人生は、ゼロか100でもなければ、勝ち負けでもない。
人と比べることになんの意味もない。
自分の人生は、自分軸で回っているのだから。
そして、状況に合わせて柔軟に変化することもまた、「らしくない」と否定せず、自然な流れだと受け入れられるように。
NO「がんばる」=「がんばらない」ではなくて、【がんばらないがんばり方】や【がんばる方向性を変えること】を見つけた気がした。
アップサイクルが作るステキな未来
使えなくなってしまったものに、また価値を生み出す「アップサイクル」。
リメイクで、使えなくなってしまったものがまた姿を変えて素敵に生まれ変わることがとても楽しい。
その趣味が高じて、今のリメイク制作の仕事になった。
その私のやってきたリメイクの進化形が、実は英語では「リメイク」ではなくて「アップサイクル」だという。
それを友人が教えてくれたのが2017年、今から4年前のこと。
その頃はまだ今ほど「SDGs」という言葉が日本では浸透しておらず、「アップサイクル」や「サステナブル」という言葉もまだまだ新しい感があった。
今は時流がどんどんと変化している。
有資源である物を大切にしたり、無駄を省いたり、あるものを作り変えて価値を付加するアップサイクルも、個人法人問わず盛んに行われるようになった。
私が目指していた流れがどんどん広がってきていて、アップサイクルが世の中に好意的な雰囲気で浸透してきたことが本当にうれしい。
着物リメイク日傘のオーダーに関しては、もちろん今でも「私に作ってほしい」と依頼くださるのは、本当にありがたく思う。
けれど、私じゃなくても、着物を日傘にリメイクする事業を行うお店は他にもある。
選択権はお客さまにあるのだ。
その選択の基準は、価格かもしれないし、知名度かもしれないし、センスや仕上がりの早さかもしれない。
いずれにせよ、そのままだったら廃棄するしかなかった着物を日傘に再生してもらえたのなら、たとえそれが私への依頼でなくてもいいと思う。
強がりでもなく、負け惜しみでも、きれいごとでもなく。
私の中で「独占したい」とか「ナンバーワンでいたい」という感情は、とっくに手放したから。
だから、昨日新聞記事を読んでも、ザワザワしなかった。
むしろ新聞の一面記事に同業他社の活動が紹介されていて、とても喜ばしいことだし、勝手に誇らしくさえも思えた。
あぁ、私も大人になったなぁ(ようやく!笑)
記事では、特にここが響いた!
アップサイクルは、新しい地球の在り方を照らしている。
私も今まさにリボーン!
ライフワークである着物リメイク日傘を、世界に認められる「アート」にする。
そして「アップサイクルの素敵」を、これからも世界に発信していくよ。
以上、今日の気づきのシェアでした。
ここまで読んでくれてありがとう♡
Tammy
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