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モノを作る上では、皆平等

残念ながら
ダメ出しが行き過ぎて
いじめのようになってしまうことがある。

演技は本気で湧き上がる感情を操るものだから、
もちろんその場で
わざと追い込んで
泣かせたり
怒らせたりすることで
その役を
役者に掴んでもらうこともある。

だからとて、
間違えちゃいけないのはここだ。

演出(監督)が偉いことも
プロデューサーが偉いこともない。

感情に正解も不正解もなく、
ただ、演出家サイドに、
希望している
見たい絵があるだけだ。

『それが出来ない=ダメな事』ではない
ということを
ちゃんと演出サイドが
理解していなければならない。

もしかしたら
その表現の選択自体が
間違っているかもしれないし
俳優に合っていないのかも知れない。

その場合は
すぐさま別のアイディアを
見つけるべきだし
何より自分の見たい絵をベースに
その人と作る
一番最良な絵を探究することこそが
総合芸術なのだと、私は思う。

その表現を役者から引き出すのは
紛れもなく演出家の言葉だったり
誘導だったり
音楽だったり
環境だったり
衣裳だったり
小道具だったり
相手の演技だったりする。

それを
お前は出来てない、
心が開いてない
と、
片方が悪いと決めつけて
追い込むのは
己の力量のなさを
相手に押し付けているとしか
思えない。

優れた演出家は、
声を荒げず、
俳優の意見にも耳を傾け、
そしてセンシティブなことは
その役者にだけ耳打ちする配慮をするべきである
と、ある演劇書にも書いてある。

稽古場の空気を作るのも
一つの仕事だし
役者のモチベーションを保ち
常にいい状態を作ってあげるのも
スタッフの仕事だ。

どの部署にいても
人や仕事としては
みんな平等であり
お互いリスペクトが
必要不可欠だということ。

そして何より
本来は演技指導と演出は別の仕事であるということを
もっと多くの芝居人たちが知るべきだと思う。

怯えながら
夜中
どうしたらいいか分からないと
助けを求めてやってくる電話が
これから少しでも減ったらいいのに、
と思う。

そのためにも
日本でアクティグコーチの地位を確立したいと思う。

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