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SCAJ2022の感想

先日SCAJがあった。アジア最大限級のコーヒーイベントだ。なんだかんだで2012年から毎年行っている。コーヒーのトレンドや、今後の動向を肌感で確認できる貴重な機会だ。

今年は非常に来客数が多く、以前のBtoBの様相から、コーヒーフェスのようなお祭りになっているなと感じた。商談し辛いなーと思う反面、こんなにも沢山の人がコーヒーを愛していることに素直に感動した。

ブースを回った雑感としては、スペシャルティコーヒーは二極化していると感じた。希少性とユニークなフレーバーを武器にハイエンドなものへと昇華させていく流れと、とにかくデイリーに消費しやすくしていく流れ。個人的には、ファミリーマートのエチオピアと、丸山珈琲のリキッドコーヒーが興味深かった。クオリティは維持しつつ、カジュアルに消費できるようになれば農作物としてのコーヒーの裾の尾はもっと広がっていくのではないだろうか。

競技会は毎年技術革新が行われていて、非常に刺激的だ。嫌気性発酵とゲイシャ、ブレンドはまだまだ現役。テーマはサスティナブルを中心にしたものが多い印象だった。職人としてのバリスタから、社会への貢献度が重要視されるフェーズなんだろう。

そして何より参加者のコーヒーへの熱がすごかった。正直ここ数年、自分が何者なのかというコンプレックスはうっすらとあって、それが浮き彫りになる形になったな思う。5-6年前だったら、胸を張って自分はバリスタだと言っていた。しかし、少年漫画的価値観の「誰よりもうめえコーヒーを作りてえ!」は僕の中でもう終わったのだ。それは悲しくもあり、必然でもある。僕はもう違うゲームを選択した。

今の僕にできるのは、美味しいコーヒーに触れる機会を増やすことだ。ふと頼んだコーヒーが当たり前に美味しい、そんな体験から、コーヒーを愛する人が増えたら嬉しい。

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