- 運営しているクリエイター
#詩
窓という窓を曇らせて
どうかそれぞれの扉から旅立ち
ぼくの雪を降らせ
ぼくの雪を融かしてほしい
水蒸気となって浮遊するあなたのために
どうか水晶の静寂を揺るがし
窓という窓を曇らせてほしい
それぞれの言葉がすれ違う午前二時に
どうか明滅する信号機よりも彼方から
あなたの季節を届けてほしい
受け取り主のない配達物よりも彼方へと
あなたの翼は放物線を描いて去っていくだろう
真冬の真横から射す陽光のように
なにひとつ温めな
誰も彼も優しさなんて持ちあわせてないよ
或いは此処は、地獄の七時間半に違いない。パソコンが人間の数より並んで、足音ばかりが立派に響いて、お茶は無料だなんて言う。私は地獄で昼間を過ごし、夜は地獄とは少しだけ程遠い東京の端っこで恋人と丸くなる。
地獄の七時間半で、君は私に小さな手紙を書いていた。汚い字で書きなぐった紙の数は八枚ぽっちで、君と私の時間を埋めるには足りないけれど、でもインクの滲みや擦ってしまった跡だとか、いたるところに君が