日米同盟を基軸にするな

 もちろん、今すぐに同盟をやめるなんてできるわけがない。だが、日米同盟とはとどのつまりは、軍事同盟なのだ。 かつての政治家たちは、日本国憲法の理念を盾に、その軍事同盟によって、戦争に巻き込まれないように知恵を絞ってきた。

ところが、愚かなことに戦後豊かになるにつれ、日本国民も自由と正義のための戦いという軍事産業のプロパガンダに酔いしれ、「普通の国」という言葉に踊らされた。

だが、その普通の国が実は、ずっと間違っていたのだ。

戦争による他国間との問題解決を拒否したはずの日本が、ダブルスタンダードのアメリカ、自由と民主主義を守るためという、お題目で世界各地に軍隊を派遣し、あるいは軍事支援し続けるアメリカとの軍事同盟を、国防の基軸に据え続ける限り、日本は永久に、アメリカの東アジアにおけるイスラエルである。

日米同盟を見直すのは、断じて反米とか、親中、媚中、ではない。共産主義国家を目論んでいるわけでもない。

どことも争わない国を目指すために、たとえ同じ民主主義国家として、共有する理念はあっても、軍事同盟は結ばないという、対話と交流、相互援助に基づく、軍事力を否定した外交のあり方だ。それが今の国際社会にとって「普通の国」でないなら、本来目指すべき「普通の国」の姿である。

政党(まして野党)が、日米同盟に触れる必要など無い。もちろん、それは今ある。だが、それを「日本防衛の基軸」と考え続ける限り、それは日本の理想と明確に矛盾する。日米同盟が今は、平和を追求する日本(もしも本当に国民がそれを希求しているなら)にとって、自主的外交の足枷にしかなっていない。

いかなる野党であれ、「日米同盟を日本防衛の基軸である」と考えるなら、そしてそれが歪んだ状態だと公言できないなら、その政党は、結局のところ、今まで通り、アメリカの東アジアにおける傀儡国家、支援を求めればすぐに金を出してくれ、しかも都合のいい軍事基地にすぎない、日本のあり方望んでいるということだ。

まさしく、アメリカは永久に、日本が東アジアにおける、アメリカの傀儡国家であることを望んでいるからこそ、アメリカに世界の批判が向かうたびに、日本との同盟を強調する

CIAの協力者であった正力松太郎の日テレがそれを報じるのは当然だろう。

「いい迷惑だ、イスラエルへの軍事支援を辞めろ、これ以上ガザでの虐殺をゆるすな。」
アメリカにそう言えない、日本で永久にあり続けてほしいだろう。




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