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社会におけるニンゲンのトラストレベル

自分でも無意識にやっていたことを、言語化してみる。
最近VRChatを始めたので「トラストレベル(Trust Level/Trust Rank)」という言葉を使いたくて使ったけど、特に深い意味はないしVRChatとも全く関係ないです。
どっちかというとリアル寄りの、お仕事トーク的なヤツです。

例によってチラ裏的にダラダラ書くので読みたいとこ目次から飛んでください。

考えるきっかけ

VRChatを始めたのがきっかけかもしれない。
よく言われる「年齢、性別、職業や社会的地位などここでは関係ない」というヤツですね。
ちなみに、それについて異を唱えるとかって話じゃないことは先に書いておきます。

私自身、虹色だったりするし、世の中がメタバースとかジェンダーフリーとか言い始める10年以上前から、リアルで色々な虹色の人と接したり、究極的な平等の価値観についてずっと考えてきた人です。
※「虹色」の意味がわからない方はLGBTQでググってね

なので、そのへんは「元々色々とおおらかで許容範囲がハチャメチャに広いヤツ」が、くだを巻いているくらいに思ってください。

とはいえ、やっぱり色々な要素からその人となりを判断するし、その判断材料として、年齢や性別、職業、社会的地位はやっぱりあったほうが判断の精度が上がります。
しかしそれは、少なくとも私にとっては、「若いから経験が浅い、年上だから自分より多くを知ってる」「学歴が高いからすごい、低いから格下」とかそういう安易に枠にはめるような話ではなくて、その人の【現在】を構成する要素の一つとして…相手の【成り立ち】を深く知る上での情報の一つでしかありません。単体の情報に価値はありません。

だからってVRChatでリアル情報を根掘りん葉掘りん聞こうって話じゃないですよ。
私、一応いにしえの生粋MMOゲーマーと名乗れる程度にはオンラインゲームやってきたので、ネット上の付き合いも心得ております。
(だからこそ面倒事も見てきたせいで、ネットの人付き合いも億劫になって、VRChatもずっと環境はあったのになかなかパブリックワールドに出られなかったんですけどね!)

もう一度書きますが、あくまでこれは仕事とかリアルの社会生活においての話。
付き合いの雑談ベースで得た直接的な情報や、一緒に仕事をしたときに得られる間接的な情報から、私自身が相手のニンゲンに対して、無意識下である程度トラストレベル的なものを付けていることに気付いた、という話です。

無意識に色々なタグをつけて記憶する

私は他人に対して「好き」とか「嫌い」とか分かりやすい感情を抱くことはほとんどありません。
もちろん「話が合う」とか「一緒にいるのが苦じゃない人だな」「誠実だな」「肝心なとこで逃げるやつだな」とかいろいろ、そういうのはあります。

そういうのに加えて、主に仕事の付き合いがある人に関しては
「作業がはやい、おそい」
「精度がたかい、ひくい」
「キャッチアップ能力がたかい、ひくい」
「ツールなどのラーニング速度がはやい、おそい」
「知識幅がひろい、せまい、ふかい、あさい」
「経験年数(特に失敗経験)が豊富、浅い」
「折衝や商談がうまい、にがて」
などなど、さまざまな能力も付加してその人を記憶します。

管理職、マネジメントの経験がある人ならわかると思います。
これも良い悪いの話ではなく、大体は、どれかが高ければどれかが低く、総合して見てみるとある程度バランスがとれているものです。

ただ、仕事というのは出費を押さえて売上を伸ばし利益を追求するもので、求められる能力も職種や場面によって様々です。
そのため、その職種・職場において費用対効果の良い人材、悪い人材というのはどうしてもいます。
ただまあ結局は能力のマッチ具合によるんだと思います。

※余談※

能力が全体的に高めの水準のニンゲンは自然と上のポジションにいきますし給料も高くなりやすく、全体的に低めの水準のニンゲンはなかなか上にいくのが難しいです。
「なんであいつは何もしてなくて俺はこんなに頑張ってんのに上にいけないんだ」という人がたまにいます。
もちろん実際に理不尽な待遇になっているときもあります。
ただ、私が見てきた限りでは、ほとんどの場合、そういう人は上の人がどんな仕事をして、どんな責任をもって、どう取り組んでいるのか全く見えていません。
上司が何やっているのか見えてない(上司と同じ視点でものを見れていない)時点で、その器がないと露見してしまっているのと同義なので、給料が上がったりポジションが上がったりは難しいかもしれませんね。
※ちなみに「情報が伏せられているから同じ視点に立てるわけがない」とかもたまに聞きますが、正直あまり関係ないと個人的には思ってます。

じゃあ能力が全体的に低めの水準のニンゲンはどうすりゃいいんだ!ってなると思いますけど、とりあえず誠実に仕事と向き合うことだと思います。
世の中、善人が損をする作りになってるので誠実にやるだけでもだめなんですけど、少なくとも文句ばっか言ったり真面目に仕事せずに法律の抜け道ばっかり探してるような人より、誠実に仕事している人の方に仕事の良縁というのは回ってきますので。
上述しましたが能力が全部低い、ということはなかなかないので、自分の得意分野を探しながら誠実に仕事をして、場合によっては転職も数回しながら【良縁を掴む】ことが大事だと思います。

付けたタグによってトラストレベルを判定する

余談が長くなりましたが、本題です。

無意識下で私はいろんなタグを付けて記憶していることがわかりました。
例えば職場でそこそこ話をする架空のニンゲンAさんがいたとしましょう。
Aさん
・4年制大学卒、現在アラサー
・新卒でIT系企業のWEBディレクター経験
・転職してゲーム業界5年目
 └最初はカスタマーサポート
 └運営系タイトルで運営プランナーになる
 └開発系業務は未経験
・比較的温厚な性格
・仕事の姿勢は積極的
・真面目にみえるが抜け漏れが多い
・確認をせず思い込みで人に説明してしまうことが多い
・趣味はVtuberの配信巡りとFPSゲーム
実際にはもっと細かくタグ付けしてますが、とりあえずこのくらいは情報として記憶していると思います。

それをもとに、トラストレベルを判定します。
VRChatの分類を流用しましょうか。

[Visitor] まだ未知数なので判断ができない。期限に余裕のある仕事や簡単な仕事しか任せられない状態。
[New User] なんとなく能力がわかったが、あまり基幹にかかわるような仕事は任せられない。量産が必要な作業を、指示の元に行ったり、簡単な資料作り等。
[User] ある程度基幹に関わる仕事を任せられる。ただしある程度具体的な方向性の指示が必要で、上司の最終チェックも必ず行わないと危うい箇所がある。
[Known User] ほぼ自分の意思で判断ができ、報告すべき内容と自分の裁量で進められる内容との切り分けができると信頼している。限定した範囲でなら上司の最終チェックも不要にできる。
[Trusted User] 自分と同格かそれ以上の能力を有しており、対等な立場で意見を出し合ったり、建設的に、生産性のある仕事を行うことができる。裁量も等分割あるいは自分の裁量を狭めて相手に任せることも許容できる。

だいたいこんな感じで、どれかのトラストレベルを適用します。

例にあげた架空のニンゲンAさんの場合…
1.アラサーなので学歴はほぼ関係なし
2.これからやる仕事が開発系業務の場合、運営経験しかなく、さらにゲーム業界の前半はCSなので即戦力にはできなさそう
3.温厚で仕事に積極的なのは良い面
4.抜け漏れが多いならチェック担当者を付けなければならない
5.思い込みで人に説明するのは周囲や部下へ誤った情報伝達がされ、それが後々の致命的なリスクにつながる恐れがあるため、リーダー格に上げることがまずできない
★改善の余地:アラサーのため、本人に改善意識があったとしても実際問題難しいと思う
6.趣味がゲームと親和性があるので、プロモーション関連の提案で意見を聞くことができそう

こういったことから、総合的に判断して
[New User] Aさん
と脳内で記憶されてしまいました。

伸びしろの考慮と成長によるトラストレベル上昇

もちろん伸びしろも記憶にはとどめますが、トラストレベルはVRChatと同じくあくまで【現在の信頼度】を評価した内容なので、そこに伸びしろが含まれることはありません。
もちろん、実際に能力が伸びたり、予想を良い意味で裏切って業務の状況を大幅に好転させたりなどあれば、その時点でトラストレベルが上昇します。

ただし、経験上【短所の改善】においていうと、年齢という要素は非常に影響力が強いです。
「年齢は関係ない」は、技能という意味ではそうですが、性格など人間性に関わる部分や、注意力などの比較的初期に身につけるべき能力においては、残酷なもので、マジで変わらないです。

特に明確な基準として、私の中では【30歳前後】というラインがあります。
私自身アラサーですし、ゲーム業界で働き盛りというと20代30代になるので当然一緒に働くことが多い世代です。
この30歳というラインに近づく、あるいは超えたニンゲンたちは、自分でとても強く意識して欠点を直そうとしてもなかなか難しいです。
それが上司や他人から言われただけで、自身では薄々感じてたor納得してないとかになるとなおさら無理です。
言って直るのは20代前半までです。
それ以降は直らないし、よほどの関係値でもない限りは直してあげる義理もないかなと思います。
めちゃめちゃパワー使うのに直るかどうかもわかんないんだもん。

基本的に信頼や期待をしていない

これ書くとすごい冷たいニンゲンみたいに思われるかもですね。
よく言われます。
ただ、まあ自分のメンタルを安定させるためや、感情の起伏を抑えるために無意識にこうなっちゃったのでこれも私も変えられません…

ただ、この「信頼をしていない」というのは、つまるところ前提として仕事上の関係において「トラストレベルが[User]以下です」という意味です。
かなり大きい責任を負う立場で仕事をする時の、リスクヘッジのために必要不可欠な自己防衛手段なんです。

そして「期待」についても、相手のタグ(能力)から先にトラストレベルを決めてしまうので、ここを外れる場合はたいてい「良い意味での裏切り」になってきます。
それ以外は「想定範囲内」になるので、まず「キミには期待していたんだがね…残念だよ」みたいなのが起きないようにしているって話です。
これも全部リスクヘッジの観点からきてます、たぶん。

おわり

オチがない
  チラ裏だもの
    フリーダム

たみこ

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