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第十五走目:湿度に溺れるか、低酸素で走るか

2023/08/31
7.5km
20分

昔、筋トレにハマっていた時期にAmazonで「低酸素マスク」という商品を見つけたことがある。価格一万。それはチョット辛い。結局諦めた。今でもちょっと欲しい。

元々、うちの家系は潜水業をしていた家系であるため肺がでかい。事実、小学校の理科の時間で「人間の吐く息の量を調べてみよう。二酸化炭素がどのくらい含まれているのかな」とみたいな授業のとき、たまたま私が実験台となった。他のグループが2とか3とかいう数字の中、うちのグループだけの目盛りが4.0を指していた。先生に報告すると先生は「小学四年にもなって数が読めんのんか。あんな」と言い、計測の目盛を見て固まった。教員免許取得の上、教頭という地位を得ても、数を読むのは難しいらしい。
少し間を置いて「誰の息?」と聞かれたので恐々と私が手を挙げる。怒られると思ったのだ。「すごいね。4リットルは大人が出す量なんよ」と言った後、妖怪を見るような目で私を見た。知らんがな。それより先にうちのグループ全員に謝罪の上、小四と認めて頂きたい。

たしかに、うちの家族は明らかに肺が分厚い。喘息持ちだった亡くなった祖父を除いては。祖父の肺の厚さがmac airだとしたら我々の肋骨は初代iMacに近しいものがある。なんかどないなってん?!というくらい曲線を描いている。
昔腹筋を破るべく筋トレをしていた時期も、うっすら割れているのに肺を守る肋骨の1番下が出ているため、服を着ていたら体型変化が分かりづらい。ちょうどその時「韓国では美容のために肋を一本減らして痩せ型に見せる人が増えている」とかいう嘘っぽい内容をテレビを見たので、自分で引っ張って抜けないか試したことがある。しかし、「抜いた後、そこに守られていた肺どうなるの」という不安から諦めた。

数が読めない疑惑が出る肺が大きさを持っているということは、人より酸素を消費するということである。私一人が生涯やるであろうランニングに対して森が必要になるんじゃないかと思うと、生まれてすみませんとしか言いようがない。
そこで低酸素マスクを思い出した。あのレオンのジャンレノの最期みたいなマスクをつけることで、格好良い上に、ランニングの強度を上げることができ、地球温暖化も防ぐことができる。素晴らしいアイデアではないか。

だが、不要ということがわかった。
みなさんご存知の通り、現在日本列島付近に3つ台風が鎮座しておられる。おかげで何もしていないのに体がペタペタである。湿度計に85とある。

今日は予定があるため朝走った。
いつものように喧嘩上等やsuperflyやら、ラグビーのテーマソングの入ったプレイリストをかけて走る。酸素が足りない。息が早くなる。あれ?7.5kmってこんな辛かったっけ?私はほぼ湿度に溺れている状態で走る。鏡の中の私の走りがおじさんの運動会のようだ。エアコン頑張って!湿気取れてないよ!
しかし、この状態こそ低酸素状態ではないか。途中から冷静になる。深呼吸。それはダメだ森が必要じゃない?辛い。
そうこうしている間に20分が終わってた。

走り終わった後、素早く検索をかける。
2回吸って二回吐くといいとある。いや、すでにやってる。楽に走る方法が知りたいわけじゃない。「低酸素 ランニング」で検索。マラソンの出場にむけた人向けの記事が出てくる。
結局肺活量でかい人向けの森を救う走り方が出てこなかった。求めている情報がニッチすぎる。仕方なく植物をランニングマシンの横に置いた。

もしかして、私は鯨みたいに陸上生物では無いのでは?と思って朝クローゼットを開けたら、たまたまシャツにこうプリントされていた。

docker kill

そして、鯨が気絶してひっくり返り、荷物が落ちるイラスト。

あんまりだ。もうやだ今日は寝て過ごしたい。

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