チョコエッグの中の文豪

もともと、noteを書き始めた目的は「太宰治の作品を私風に伝えることで面白さを知って欲しい」というものだったにも関わらず、つい目的を忘れて自分のことを書き殴ってしまっていたので、一度初心に戻ろうと思う。たまにはね。
太宰治というと皆さんはどう言うイメージを抱くだろうか?
人間失格、生まれてすみません、入水自殺。
この印象が強烈すぎて暗いイメージを持っている人が多く、太宰治をおすすめしても訝しげな顔をされることが多い。
確かに、長編は人間の仄暗さにフォーカスしたものが多い。しかしながら断言しよう。
彼の随筆はコロコロコミックスである、と。
ちょっと言い過ぎたかもしれないが、彼の文章は論理的かつ矛盾が多く、その矛盾を屁理屈をで丸め、最終的にドラえもん的オチをつける。その起承転結流れが非常に絶妙でゲラゲラと笑ってしまう。畜犬談、服装に於いてなどはまさにその最たるものだ。
暗いと言われる作品の数倍はそのような面白随筆ばかりで、挙げ句の果てには芥川龍之介をリスペクトするあまりに「芥川賞くださいよぅ」という文章を審査員に送った手紙まで青空文庫残っている始末である。自身の黒歴史が著作権を放棄され公的にオープンされるなんて死体に鞭打つにも程があるが、彼自身が文豪としていかに素晴らしいかの証明であり、かの無頼派戦国時代の中で後世に名を残したそれに英雄なんだなぁ、としみじみと思う。
最近になって彼自身が漫画のキャラクターになってるのをよく目にするようになった。
異世界に転生したりスタンド使いになったりオドロキである。生まれてすみませんって言ってるのに生まれ変わらせてどうする!初めのうちは敬愛するひとを侮辱されたように受け取ってしまい、けしからんと思っていたが最近になって彼が唯一無二の存在が故なんだと受け入れられるようになった。(まあ、絶望的なキャラクターとして描かれるのは納得がいかないんだけども。)
ならばいっそ行き着くところまで行って欲しい。最終的にはドラえもんのようにチョコエッグの中身フィギュアだ。
芥川龍之介ポーズの太宰
椅子に足をかける太宰
背が高いが故にステッキの長さに憤怒する太宰
縁側で書物を読む太宰
ぱっかり猿真似笑顔の少年太宰
ざっと素人考えでも5体は案が出た。桜桃忌に出したらマジで売れるんじゃないだろうか。
来年の六月を楽しみに待とう。

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