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【10月の食旅】寛ぎのコム シェ ヴーで移住について考える

もともと月イチ食旅は新潟開拓のために掲げたものだったけれど、またしても新潟県外の食旅。
移住先での生活の取るに足らないアレコレを綴っていくはずが、ただのグルメnoteになっている…
もっと新潟のことを記録しておきたいのに、休日はほぼ自宅にいないのでそうなるか。当分こんな感じだろうな。

今回は自身のルーツでもある北海道函館市。
海の幸も山の恵みも、野菜も肉も乳製品も…北海道はとにかく好物(コレ重要)が美味しくて大好きなところ。
というより、気軽に食べられるものが、十分美味しい。
何を食べても美味しいと感じるのって、自分を長年育てきた土地のもので、自分の体(舌)に馴染んでいる影響が大きいと思っているけれど、そうじゃなくても、きっと、函館は大変美味しい。
湯沢町に比べると、そりゃーもう、ダントツに。(湯沢町、ごめんなさい)

函館は年1ペースで通っているけれど、大人(お酒が美味しく飲めるよう)になってからは滞在期間が限られることもあって、お気に入りの店ばかり(コルツとか煌とか五島軒とか鮨金とか阿さ利とか…)に行きがちだった。
でも、ミシュラン特別版が発行されたりSNSが普及してからは、新しい店を知る機会も増えたので、新規開拓をするように。
(昨年訪れたmaison FUJIYA Hakodateも素敵だった。長年変な自由の女神像があった場所だなんて信じられない・笑)

今回はイタリアン、フレンチ、寿司、ワインバー、グリルレストランと幾つかの店を訪れてみた。
そのどれもが美味しくて素敵な時間を過ごせたけど、あえて1店ピックアップするなら、函館入りした初日に、ゆっくりぼっち飲みしたくて予約したここ。

2022年10月14日(金)訪問
Comme chez vous
北海道函館市宝来町22-12

宿は用事を済ませるのに便利な五稜郭を選んだけど、オレンジの街灯に照らされる元町や十字街あたりの港町雰囲気が好きなので、夕食はそのあたりでと思っていたのと、お気に入りの店(コルツ)がインスタで繋がっている店なら良い店(同じ空気感)に違いない!と、片っ端からアカウントチェックして見つけた店。
店名は「くつろいで!」という意味らしい。

良いなーと思ったポイントは、
シェフと喋れるカウンターメインの店であること。
「ワインと小皿料理」がひとり飲みに良さげだと思ったこと。
ミシュランガイド北海道2017特別版に掲載されていたこと。
あとは、根本的に普段は和食好きなのに、函館だと寿司以外はあまり和食にそそられないので(居酒屋は別)ワインをゆっくり飲みたいと思ったこと。

店がある場所は、十字街の電停を降りて、ふらふら歩いて5分くらい。
近くには函館名物の「印度カレー 小いけ」や、北海道で最も古い たこ焼き屋(1963年創業)などちょこちょこ店はあるけれど、駅前や線路沿いではないのでとても静か。
オープンして10年以上になるそうだけど、全然知らなかった。

ワインは赤白3〜4種類ずつくらい。
メニューは黒板に書かれたその日のおすすめが中心で、カルパッチョ(ヒラメ)×白からスタート。

本日のカルパッチョSサイズ680円

続いて自家製のレバーペーストで赤を3杯ほど。

自家製のレバーペースト 800円

メインは仔羊と迷ったけど道産が決め手になって、鴨のコンフィ。

道産鴨コンフィ 2,800円

このコンフィ、漬け込まれたスパイスと塩みが酒泥棒過ぎて、とーーーっても美味しかった。多分、さらに赤を2〜3杯くらい飲んでる。

そして、〆にはパスタ。
パスタはその日の食材を使って、オイル、トマト、クリームを選んで仕立ててくれるスタイル。
「天然きのこのスープ」のところに、(ボリボリ、ラクヨウ)の文字があったので、大好物のキノコたちを使って、クリームパスタにしてもらった。

本日のパスタ(たぶん40gくらい)

食べたいけど量は入らないので半分の半分くらいというワガママオーダー。
さらに、卵黄を足して濃厚なカルボナーラ風にアレンジ。
一見でもこういうワガママを言えて土地の味を楽しめるのが本当に良いなー、やっぱり旅先ではこういう店に立ち寄りたいなーとつくづく思った。

ちなみに、ボリボリは昔から食卓に上がっていたけれど、北海道での呼び名だったことに、実は新潟に引っ越してから気づいたキノコ。
北海道ではボリボリ、新潟ではアマンダレ、全国的にはナラタケ。
香りは強くないけど、良い出汁が出るからかウチではいつも味噌汁で登場。
洋風(クリームパスタ)にしたのは初めてだったけど美味しかったので、真似してみよう。

そんなこんなであっという間に食事時間が終了。
偶然にも店主夫妻が一緒に旅行をするくらい仲良しだという方が営むバーをチェックしていたので、そちらでぼっち2次会をしたけれど、そのバーもとても素敵だった。

実は今回の函館滞在、いずれ函館に住むのもアリだなぁと思ってしまった。
10年前は一番仕事が楽しくて(若さゆえの無敵な毎日で)まさか自分が10年後の現在、湯沢町で暮らすことになるとはこれっぽっちも思っていなかったから、これから先の10年後も、どこで誰と何しているかなんて、さっぱりわからない。
だから、函館にいてもおかしくないかもなぁと思えてしまった。

やっぱり生活の場所には美味しいものが欲しい。
自分で作れたら最高かというとそうでもなく、人の手で愛情込めて作られたものを食べて暮らしたい。
(だから多くの男性はみんな、嫁を迎えるのか・笑)
今は美味しいもの目指して旅しているけれど、美味しいものを日常にするために、住む場所を選ぶ幸せって、アリだな。
今、美味しいと思った店や食材は、10年後にはないかもしれない。
10年、20年も経てば店も人も移り変わるし、自分の味覚も変わるかもしれないけど、きっとその時々で美味しいものに出会えるはずだから。


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