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日本一小さい村【富山県舟橋村】

地方への移住を検討するにあたって、移住先の選定は丁寧に行いたいですよね。
「富山県」と一口に言っても、市町村によってその特色は様々。そこで15回にわたり、富山県内の市町村をご紹介していきます。

今回は富山県舟橋村をご紹介します。
実は舟橋村、日本一小さい村なんです。周りは富山市に囲まれており、面積はたったの3.47㎢。人口は現在3,217人ですが、人口が急増している人気の村です。

それでは、自転車でもあっという間に一周できてしまうこの村の魅力をご紹介しましょう。

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◎人口増は子育て世代に人気だから!

舟橋村の人口は30年間で約2倍に増えました。特に、15歳未満の人口割合が高く、2010年度には21.8%となり日本一でした。なぜ、この小さな村に移住者が増えているのでしょうか。

その理由の一つが、子育て世代にとって住みやすい村だから。

平成の大合併で、多くの町や村が合併しました。そんな流れの中にあって、舟橋村が合併を決意しなかったのは「舟橋村の小中学校がなくなってしまうから」だったそうです。村の子供たちを、村全体で育てていきたいーーそんな文化があるから、舟橋村では子育てがしやすいんですね。

村内には「子育て支援センター」があります。登録者数は数百名いらっしゃいますが、そのほとんどが村外の方の登録だそうです。

村長の金森勝雄さんは、それについて

村を走っている道路にも「国道」「県道」があるように、皆でつながって使うという視点を持っているんです。

と語っておられます。舟橋村のことだけを考えるのではなく、近隣地域との繋がり、持ちつ持たれつの関係を重視しているからこそ、”自然と”舟橋村には人が集まってくるのです。

だから、県外からの移住でもコミュニティに入っていきやすいのが舟橋村のいいところ。子育て中の同世代の方々が、助け合いながら子育てをしているのです。

村内には保育園、小学校、中学校がそれぞれ1つずつあります。
少人数だからこそ、横のつながり、縦のつながりが強く、丁寧な教育が受けられるのが魅力です。

移住者が増えたことで村内に待機児童が出そうになったことがありました。
しかし、迅速にこども園を増設したことで待機児童ゼロをたもっています。村のお金は出来るだけ子供たちに還元しようというスタンスが明確に現れた例です。

この村のおもしろい取り組みや、移住者が増えている秘密は書籍にもまとめられました。

◎富山県中心部までのアクセスの良さ

舟橋村には富山地方鉄道の駅があり(越中舟橋駅)、富山駅までたったの20分でいくことができます。車でも約20分なので、勤務先が富山市内でもストレスなく通勤することができます。

舟橋村は富山県のほぼ中央に位置しているため、どこへいくにもアクセスが良いのが特徴。さらに、面積が小さいので村役場、駅、学校など主要施設が約1km圏内に集まっています。この利便性の高さは他の地域ではなかなか実現が難しいものです。

◎移住者がつくる新しい動きも

移住者や地元の農家が協働し、子育てを応援する食と農のブランド「MUSUBU」(むすぶ)というプロジェクトも始まりました。

日本一ちっちゃな村から食卓へ。
富山をおいしく、むすびます。

をコンセプトに2020年に立ち上がったこのプロジェクト。

舟橋村をこれまで支えてきたのは農業でした。豊かな水と肥沃な土壌で育つコシヒカリは、「アルプス米」としてブランド化もされています。しかし、現在は担い手不足や高齢化に直面。

そこで「子育ての村」としてこれからもずっと発展していくために、「農業の村」「子育ての村」だからこそできる取り組みを始めようと始動したプロジェクトです。

この食と農のプロジェクトの始まりとして、富山県・舟橋村産のお米で富山県内の食材を”むすぶ”、塩麹おむすび「したごしらえ」が発売されました。子育て中のご家庭の食卓を支える商品として、注目を集めています。

ばんどり騒動(米騒動)発祥の地として知られる舟橋村にとって、「お米」は大切な存在。それに、富山県内の他の市町村の具材を組み合わせることで、県内の繋がりも作っていこうという気持ちが込められています。

また、子育て世代に必要な手作り雑貨をオンラインで販売もしています。現在、新商品開発中とのことなので、今後の取り組みに期待が高まります。

◎活用されまくり!の図書館

駅舎に併設される形で、舟橋村立図書館があります。1998年にオープンしたこの図書館は、住民一人当たりの貸し出し冊数が日本一になったこともあります。

もちろん、駅舎併設というアクセスの良さもその理由の一つですが、ベビールームが完備されていたり、開かれた空間で図書館にありがちな堅苦しさがないことも理由なのでしょう。

全館が木製のフローリングになっており、靴を脱いで入るところもユニーク。我が家のように寛げる空間が好評です。

図書館が併設されている越中舟橋駅には2時間無料の駐車場があります。電車でも、車でも訪れやすい施設となっています。

なお、この駐車場は1日利用しても200円と安価なので、駅まで車を利用し、電車で通勤というスタイルも可能ですよ。

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大きな可能性と魅力を持った、日本一小さい村・舟橋村。

人との繋がりを大切にしたい方、地域の人と支えあいながら子育てしたい方にぜひ訪れていただきたい村です。

皆様と富山でお会いできるのを楽しみにしています。



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