「立候補」:なぜ負けると分かっていても立候補するんですか?
とてもよい映画だった。
映画にこだわりの強い(?)人が絶賛していたので、「立候補」のホームページを見てみたところ、奇跡的に今週末までポレポレ東中野で、復活上映していることが判明。
これは見に行かねばと、平日夜の映画鑑賞を満喫してきた。
感想を一言で述べると、「マック赤坂、最高!」。
マック赤坂に惚れてしまうドキュメンタリー映画だった。上映後に販売されていたマック赤坂Tシャツを買おうか本気で悩んだほどだ(買わなかったけど)。
選挙の立候補者に立候補する真意を問うていく本作品。そこには思いの外、その人の人生に紐付いた想いがあったり、なかったりする。
立候補者だけではなく、その家族や秘書、秘書の家族にまで迫っているところも多面的で、深い。
しかもこの映画、いちいち演出がかっこいいのだ。はじめの、外山恒一の選挙放送を流すシーンとか、エンディングの音楽の入り方とか、とてもいい感じだった。
この映画を紹介してくれた人は、いわゆる“泣かせる映画”が好きではないそうだ。そして、世の中、泣かせる作品ばかりなのは、「みんな、ちゃんと考えていないからだ」と言っていた。
「感動させるためには、アンハッピーな展開をつくって、泣かせればよい」という安易なパターナリズムにはまっているのではないか、ということだ。
対して、この映画は主題がシンプルながら、おもしろい。
「なぜ負けると分かっていても立候補するんですか?」
この純粋な問いから生まれ、その問いを突き詰めた結晶だからこそのおもしろさがあるんじゃないかな。
2019.5.23 鑑賞
花を買って生活に彩りを…