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映画感想

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わたしのみた映画たち
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2018年8月の記事一覧

「バンクシーを盗んだ男」:グラフィティとは何か

21時35分開始のその日さいごの回。同じスクリーンを観ていたのはおよそ10人ぐらいだった。 今回の映画は「バンクシーを盗んだ男」。 個人的には人が少ない映画館のほうが好きだけど、すてきな作品をピックアップして上映してくれる映画館のためにも、この作品をつくった人たちのためにも、この映画をぜひ多くの人にみてほしいと思った。     「バンクシー」というのは、イギリス・ロンドンを中心に活動する覆面芸術家のこと。(https://goo.gl/XAtO97)     舞台はパレス

「カメラを止めるな!」:笑い溢れるゾンビ映画は何がおもしろかったのか

ゾンビ映画なんて見たくない。 あぁ、こんなんだったらわざわざ観にくるんじゃなかったなあー・・・。 と、一度は後悔しました。 しかし、その後悔は見事に裏切られました。よかった。 傑作とSNSで話題になっている本作品。事前知識いっさいなしでみるべし。とみんなが口にしていたので、その教えを守ってみました。期待しすぎるとよくないとも言われていたので、そこまで期待もせず。笑 結果的に、好評に納得しました。 そこで何がよかったのか自分なりに考えていきたいと思います。(以下、

「キングスマン」:Manners maketh man.

“Manners maketh man.”  これが本作品の名言らしい。もうこの映画をみるのは4度目になるという友人が嬉しそうに語っていた。 現代語にするとManners make the man. 「礼節が人をつくる」という意味だという。(以下ブログ参照) そんな英国紳士らしさ満載のスパイアクションムービー。(※以下、ネタバレあり) 冒頭および途中にしばしばグロテスクなシーンがあるものの、それなりにおもしろい映画だった。 敵役のヴァレンタインが企むのは、一部の特権

「ジュラシック・ワールド」:僕らがつくる世界の運命

自分ひとりだったら絶対みにいかない作品。幼かった頃、テレビでジュラシックパークをみて以来、「とにかく怖い映画」という印象だけが脳裏に焼き付いていた。 その印象の通りで、人を食べる恐竜たちは迫力ありすぎて怖かった……。 あぁ、怖かった(涙) これがいちばんの感想。(※字幕だったので3Dでも4Dでもありませんでした) ただ、続きが気になるドキドキハラハラ感があって、総じておもしろかった。 * * * この映画に登場するのは、恐竜たちの復活や開発に熱中する人間たち。

「バケモノの子」:心の闇は誰にでもある

心の闇。ぽっかり空いた心の穴。 それがこの映画の主題だと思う。 九太(蓮)は、幼少期に母を交通事故で亡くし、父は音信不通に。孤独に苛まれて泣いていた。 そこに手を差し伸べたのがバケモノの世界で生きる熊徹。強さを求めて熊徹のもとで修行することを決意したキュータは熊徹とともに切磋琢磨し、日々成長していく。 しかし、バケモノの世界で人間は危険な存在だった。 なぜか。 人間はみな心の闇を抱えていて、その闇に飲み込まれたとき、とてつもなく恐ろしい存在になるからだという。

「未来のミライ」:何億年分もの奇跡

公開前から楽しみにしていた作品。 「時をかける少女」と、細田守監督の描く「空」がすきなので、時かけを連想させるこのポスターを見るだけでワクワクしていました。 公開日の翌日にみにいったのですが、事前のTwitterリサーチで評価が低いことを確認。だいぶ酷評だったのですが、とりあえずみておこうということで、期待値をものすごく下げた状態でみました。これは大事。笑 事前の予想どおり、特段おもしろさがあるわけではないものの、ほのぼのして、最後の空から落ちるシーンで、先祖の歴史に思