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なめこへの愛

皆さまは、なめこ栽培キットというアプリをご存知だろうか。

今年で10周年を迎える「なめこ栽培キットシリーズ」は、なめこのキャラクターを育成する無料スマホゲームだ。時間が経つと自然に原木に生えてくるなめこたちを一気に指でなぞって収穫するのが、爽快で病みつきになると言われている。

最近友達から「なめこのおねえさん」と言われるほど(始めたのは3年くらい前だが)、このなめこ栽培にハマっている。

なめこには、色々な種類がいて、いまではシリーズ総勢1000を越えるなめこたちが存在する。新種を発見すると、なめこ図鑑というゲーム内の図鑑が埋まっていく仕組みになっている。1種類につき決められた数を収穫すると、隠しプロフィールが徐々に公開されていくというニクイ演出もある。図鑑をコンプリートしたい、そのコレクター魂をいかんなくくすぐる。やるしかない!もう集めるしかない!いや集めてやる!そんな気持ちにさせてくる。(もともとコレクター欲は割とあるほう。)

なめこ図鑑のコンプリートと共に、なめこ栽培のミッションは、原木を成長させることだ。

原木とはその名の通りなめこが生える木のことで、それぞれテーマが設定されている。例えば色彩の原木という原木には、色にちなんだカラフルななめこが、渓流の原木には、渓流をすみかとする生き物がモチーフのなめこが生える。

原木にはレベルという概念が存在する。どんなゲームも最初はレベル1から始まるように、生まれたての原木も、レベル1だ。RPGの勇者でいえば、冒険者の服、木の剣、お粗末な盾の状態。栽培スピードは遅く、レアな種類のなめこが生える確率も非常に低い。原木レベルは、なめこの収穫数が増えていくごとに上がる仕組みになっており、原木のレベルが上がると、栽培スピードが速くなり、レアななめこが生える確率も増えていく。最初はちまちまと同じ種類のなめこを収穫していかなくてはならない。

栽培に飽き始めるのはだいたい原木レベルが低い時、すなわち、このちょっと忍耐を試される期間の頃で、いかにここを突破するかがその後のなめこ栽培を楽しく続けられるかの肝だ(と個人的には思っている)。

と、最初のほうはそう考えていたが、最近少し心境に変化があった。何種類かの原木を育て、最大の99レベルまで育てきるという体験をすると、育て始めの原木の成長をあたたかく見守れるようになってきたのだ。この先この原木は成長し、レアななめこがぴょこぴょこ生え、図鑑も埋まっていくという未来を知っているから、よちよち歩きの育て始めの原木を、まるで母のような気持ちで観察出来る心の余裕が生まれてきた。孫の成長を見守るじいばあのような眼差しでもあるかもしれない。

忘れてはいけないのが、それぞれのなめこが可愛いこと。それもこのなめこ栽培キットの大きな魅力の要だ。

10周年を記念した「なめこ総選挙」なる人気なめこ投票イベントが、今年開催された。それぞれのなめこは個性的なデザイン、そして性格や特徴を持っており、非常にユニークかつ魅力的だ。全国のなめこ栽培愛好家たちが栽培していく中でお気に入りのなめこを見つけていくのもごく自然な流れである。わたしもその1人で、なめこ総選挙にはしっかり投票させていただいた。何種類かいるお気に入りのなめこから1種類を選ぶのは非常に胸が痛んだ。同率1位で複数に投票させて欲しいくらい。なんならもはやハコ推し(全員平等に好き、グループそのものが好き、の意)の勢い。

ここまでなめこ栽培について熱く語ってきたが、最後にもうひとつ。わたしがこのアプリ「なめこ栽培キット」が好きなのは、製作者のなめこへの愛を感じるからだ。それぞれのなめこのデザインの細かさ、性格や特徴の設定がしっかりしていること。なめこによっては、進化した姿が存在したり、時には人間関係ならぬなめこ関係のあるなめこどうしもいたりする。適度にゆるく、時にかなりシュールな世界観。「ただコンプリートする」、「ただキャラクターが可愛い」それだけではここまでなめこ栽培にハマっていないと思う。他の同じような育成アプリにはない魅力が、なめこ栽培キットにはあるのだ。なめこ栽培キットの世界観、それを考える、作っている皆さまの存在を含めて、なめこ栽培が好きなのだ。

因みになめこ栽培キットシリーズは何種類かアプリが出ているが、わたしのイチオシは、「なめこ栽培キット Deluxe 極- 癒しのなめこ育成ゲーム」だ。新しい原木が開放されるスピードや、原木に生えるカビの種類の数、新種なめこの生えるスピードなどがちょうど良く、原木を1種類ずつ育てていけるところも気に入っている。品種改良という楽しみ方もあり、盛りだくさん過ぎず、少なすぎないコンテンツ量。BGMも何種類か入っているので、気分に合わせて選べるところも好き。(わたしが好きなのは、なめこの日常、胞子の記憶、ボッサブナメコ、KIWAMIの4曲。他にも、なめこボイルドなど、曲調が違うBGMがあります。)

なめことの、ゆったりした、そして喜びのある暮らし。これからも、マイペースになめこを愛でていきたい。新種を発見していきたい。ありがとうなめこ栽培キット。ありがとうなめこ。だいぶなめこ愛にまみれた文章をお届けしてしまった。では、最後はなめこの顔文字でお別れしたいと思います。

( ˊ̱˂˃ˋ̱ )「読んでくれてありがとう!んふんふ!」



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