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応援するたのしみと応援される喜びと

自分だけで、こっそりひっそりと頑張ってみるのもいいけれど。友人などに話をして、おおっぴらに頑張ってみるのも、また違ったたのしみがある。

友人が、突然(でもないけれど)、作家になると宣言した。周りの人間のことをとても好きで、大切にしたいと願っている心やさしき友人。いつもは、控えめで自分から何かを大きく発言することがない。それなのに、いきなり。
ふと、みんなにも伝えておこうと思いついたから、言っておくよ。と作家になる宣言。

友人は世界を美しいと感じる人だ。自分のまわりにいる誰かのことや自分の感じてきた世界の美しさを伝えたい人だ。書くことが大好きな人だ。友人の書く文章をとおして、私はこれまでも多くの景色を眺めてきた。

それだけでは作家になることはできないのかもしれない。けれど、私はとても楽しみになった。友人が作家になったら、あの景色をもっと多くの人が眺めることになるのか。もっと、頻繁にあの友人の作品を読めるようになるのか。

作家とよばれる職業が、どのような日常を過ごしている職業なのか、私は想像しかできない。けれど、せっせと書き続けて、たくさんの風景を私たちに届けようとしてくれる友人の姿は、たのしみに想像ができる。そして、応援したいと思った。(何をどうすれば、応援になるかはわからないけれど作品を楽しみに待っていようと思っている)

友人が夢をがんばりたいと宣言してくれたおかげで、私にもそれを見守り応援するたのしみができた。

頑張る力を分けてもらったから私も、ひとりでこっそりひっそりと頑張るのはやめてみようか。友人たちに夢を話して、おおっぴらに頑張ってみようか。夢のある場所が強く輝いて見える。

……ああ、でも怖い。自分の夢を友人に話すことが、怖い。話せるほどの夢なのか、自分で自信が持てない。話せるほどしっかりと、夢を確信できていないように思う。

この怖さ、あの友人も感じていたのかな。どれくらい、考え続けていたのかな。わたしも夢を友人に話せるようになりたい。

結局、その日は最後まで。私の夢を話すことにならなかった。私の日常をささえてくれてる小さな野望を話すにとどまった。友人は見守ろう応援しようと、自分の夢のしっぽをみつけたように喜んでれた。わたしも嬉しくなった。一緒に喜んだ夜だった。

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