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2020/9/4-6(日)ヒロインの描き方で作家が男性か女性かわかるものなんだなあ


住野よるさん、名前しか知らない作家さんの一人。女性だと思っていましたが、男性だったのですね。

なんとなくつけていた金曜ロードSHOW!「君の膵臓を食べたい」、若い頃ならこういうのも身を乗り出して見ていたのかなあと思いながら湯あがりの時間をだらだら過ごしていました。志田未来と東出昌大かなと勘違いしてしまうくらいには目も脳も衰えてしまってますよ。

私は原作者を女性だと思いこんでいたのでヒロインのあまりの現実味のなさに驚きました。女性作家がこんな女の子書く?それとも男性ウケを狙ってわざとやってんのかな。調べてみたら男性だったので、ならばと納得。

男性作家と女性作家とでは女性の描き方が全く違います。男性はそこに理想の美を、女性はリアルと業とを描き出します。リアルならすべて良いという問題でもないですしやはりそこは各作家の筆力がものを言うのですけれど、男性作家の場合は描かれた女性を通して作家の素が晒されるという点が興味深いと思うのです。

太宰治の描く女性はどことなく凛として美しい。夏目漱石はつかみどころなくミステリアス。谷崎潤一郎は残酷さが氾濫している。東野圭吾の描く女性もどこか冷たさを備えていて好きですね。

竹下夢二や鶴田一郎の美人画のように、男性作家の描く女性は奥行きのなさこそがむしろいいのです。

そこに描かれている女性そのものではなく、それらを描く男性作家の陰鬱したエロティシズムが五感を刺激してくる感じ、これがたまらない。

でもね若い女の子たちは女性作家の描く女のリアルな強さから心と感性を研ぎすましたほうがいいよ。私の頃は山田詠美が流行っていたけど今の女の子は誰の本を読むのかなあ。時代背景は古いけど有吉佐和子もいいぞお。

武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。