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2021/6/23-24(木)天国と地獄の違い


昨日の記事に関連して。

私が10代の頃、とある大人から聞いたお話。細かいところは違っているかも。

天国と地獄の違い。ある人が地獄を訪れました。そこでは大きな円卓を囲んで多くの地獄の住人が座っています。それぞれの目の前に用意された料理は量も多くとても美味しそうなのに彼らは全く元気がありません。手には円卓の向こうにも届くと思われる長い長いお箸。そう、お箸が長すぎて目の前の料理をつかむことができなければ口に運ぶこともできないのでした。地獄の住人は飢えを満たせぬまま、やせ細った体とぎろりと飛び出した目で、ただうらめしそうに目の前の料理を見つめることしかできないのでした。

この人は次に天国を訪れました。驚いたことに天国の住人の食卓は地獄の住人のそれとまったく同じものでした。大きな円卓、美味しそうな料理の数々、そしてとても使い物にならない長い長いお箸。ところが天国の住人たちは誰もみなつやつや、ふくふくとしており、幸せそうに微笑んでいます。彼らは長い長いお箸を手に取ると、対面に座っている、遠くの人のお皿に箸を伸ばし、そのまま遠くの人の口に食べものを運ぶのです。すると今度はその人が自分のお箸を使って、今ご飯を食べさせてくれた人のお皿の食べ物をつまみ、口に含ませてくれるのです。お皿の上に積まれたおいしそうな料理はどれもみるみるうちに住人たちの胃袋に消えていきました。

この寓話が私たちに教えてくれるのは、天国も地獄も、目の前に与えられている環境は実は何も変わらないのだということです。違っているのはただ一つ、生き方の選択でしかないと。

その人の生き方一つでそこは天国にもなれば地獄にもなる。天国も地獄も、結局のところ、その人自身が自ら作り出しているものだと。

加えて私たち一人一人に与えられた能力というのも、自分のためでなく、実は他の人のためにしか使えない類のものなのかもしれない、そう思ったりもするのです。


武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。