見出し画像

2021/3/14-15(月)誰にでもわかる論点が本質を隠す


大相撲春場所が始まりました。直前のPCR検査では力士全員陰性。前回は新型コロナ感染で涙をのんだ横綱白鵬も久々の出場です。陽性反応の出た親方が所属する部屋の力士は残念ながら全員休場となってしまいましたが、十両以上だけ見れば今場所開始時点にて新型コロナによる休場者は一人もいません。

協会員たちがこの2か月どれほど節制して過ごしていたか、その努力と忍耐が伺えるというもの。こういう側面、もっと評価されてほしいなぁ。悪いことばっかり取り上げないでさ。

さて。横綱鶴竜は今場所もケガでお休みです。各々思うところはありましょう。私も大いにあります。で、今から話す話は解決済みの話でして蒸し返すのはよくないかもしれないんですが、大切なことを含んでいると思うので取り上げます。

場所直前、某放送局のツイッターが力士の給料について特集記事を紹介したのですね。「横綱は休場が続いてもこれだけ給料がもらえます」との言葉とともに。当然、相撲ファンから多くの批判を浴びまして、当該ツイートはお詫びの上、現在削除されています。

これ、二つの面でよくないなあと思ったんです。

一つは、鶴竜が横綱として決断しなければならないことを、給料泥棒的なイメージを使うことで相撲をよく知らない人たちの怒りを掻き立て、世論として引退を誘導しようとしてないか、ということです。人一人の進退に世の中の空気で圧力かけるなんてこと、絶対にあっちゃだめです。

もう一つは、私はこちらのほうがより重要だと思うんですが、鶴竜は給料泥棒になっているからだめなんですか? 問題の本質はそこじゃないでしょうと。鶴竜が今回本気で進退を考えなければならないとしたら、お金のことではなく、全く違う側面からでしょう。

組織の古い体質問題を女性蔑視問題へとわかりやすくすり替えてしまったせいで体質そのものへの批判をそらせてしまったマスコミ。ここでも同じことが起きていると思ったのです。




武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。