見出し画像

落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『つながる図書館』『京都「私設圖書館』

「図書館」と言えば、学校や市町村にある公立図書館をイメージする。またそういう形のものしか知らなかった。しかし、Facebook友達で私設図書館を開設されている方がいたし、いろいろな切り口の、いろいろな形の図書館があることを知ることによって、「図書館」というものについて興味を持つに至った。
 
今回、『つながる図書館』(猪谷千香著)、『京都「私設圖書館」というライフスタイル』(田中厚生著)という2冊を読んだ。
まずは前著の後半にある「新しい公共図書館」には遅ればせながら、時代を感じた。
小さくとも図書館が地域コミュニティの結節点となる。そしてそれを支えるネットワーク技術。
例えば、世界中の本棚を図書館化するという「リブライズ」というシステム。正直言って、読んだだけでまだまだ理解不能だが、Facebook上で基本的に貸し出し履歴がオープンになるとともに、インターネット上での読書会「ソーシャルリーディング」もある。
本の貸し借りによって生まれるコミュニケーションが人と人をつなぎ、街を作っていく。そして、それは社会への活力につながるというもの。
 
一方、京都私設図書館は、まさに個人で開業されたもの。公共的なにおいの強い図書館をビジネス化したものである。
この本は、館主でもある著者の「型にはまらない生き方」というライフスタイルという視点から書かれたものであるが、大学卒業後、50年にも及ぶ創意工夫のあり方がうかがえる。
今日、日本各地にある私設図書館の先駆的存在であると考える。
 
さらには、いずれの著書にも記載はないが、図書館内で障害者向けの書籍棚(りんご棚)を推進している「りんごプロジェクト」という新しい取り組みもある。
時代は変わっている。そして現実は生きている。
「本を読む」という一つの行為をとって考えてみても、いろいろな形態がある。
改めて「多様性」というキーワードを認識した次第である。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?