見出し画像

ワクワクリベンジ読書のすすめ~『発想法』川喜田二郎著~

いわゆる「KJ法」をベースとした著書。
そういえば、学生時代か社会人初期に挑戦して降参した記憶がある。ちょっと頭のレベルがついていかなかったのを思い出す。いまでもさほど変わらないが、「知的で素敵なシニアライフ」を標榜している中、特に丁寧に読んでみた。理解力不足から、一部自分勝手な解釈もあるかもしれない。そこは未熟なシニアということでご容赦いただきたいと思う。
 
まず決定的に言えるのは、KJ法について断片的にしか理解していなかったということである。
社内外の研修のグループワークなどで、よく「KJ法のやり方で進めてください」といわれてきた。しかし、著書を確認する限り厳密にはそのほとんどが中途半端なものであった。
「ブレーンストーミングで」「考え方を紙片に書いて」「親近感を覚える考え方(紙)は一緒にまとめて」。ここまではほとんどのケースでやってきた。
問題はその後。
グルーピングした内容を圧縮した「一行見出し」をつける。各グループの表札を作るイメージ。
そしてグルーピングしたカテゴリー同士の関係を矢印でつなげる。つまり全体を図解する。
この段階で、話の流れ・浮かび上がったアイディアはほぼ全員が共有できるようになる。
しかし、そこには微妙な見解の相違もある。また少数意見としてはじかれているものもある。
そこでもう一度、図解されたものをメンバー全員で改めて確認しあう。
そうしたプロセスを経て、最終的にアイディアは文章化され一つのレポート作成につながる。
それが著者の考える、あるべきKJ法のアプローチであると思う。
 
もっとも研修などではじっくり議論し合う時間はないだろう。ただせめてグループごとに適切な「一行見出し」を考えることはできないか。言葉を圧縮することは内容を理解していることが前提になる一方で、他のグループとの関係性を確認しやすくするとともに、新しい視点を見出すきっかけとなるようにも思う。それが発想力を高める訓練になると思う。
 
まとめる力。表現する力。多面的に考える力。
これらがKJ法を正しく学ぶことによって鍛えられ、新しい発想を生み出すポイントになると感じた。
『続・発想法』という著書もある。KJ法の応用編になるらしい。やや難解な感じもするが、挑戦してみるのも面白いかもしれない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?