見出し画像

落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『毛眼鏡の歌』川端康成著~

おかしなタイトルだな、と思っていたが、読んでみてやはりおかしな話だった。
彼(川端康成)の思考回路がまったく理解できない。
やや田山花袋の『布団』に似ている感もする。
文学的に高い評価なのかどうかわからないが、「変態」という言葉が透けて見えるような作品。
結局、振られてしまったきみ子への思いを捨てきれず、屑籠に捨てた抜毛を思い出の場所に結びつけていく。結びながら、彼女との語らいを思い出す。
やはりおかしいよ、この人。気味悪い。
 
登場人物よりも、構成はユニークであり、面白いところだ。事実・回想の間に、ところどころでそのシーンに関係する詩が散りばめてあるのは、実に心にくい演出であると思う。
さらにそれが秋の情景をより深いものとする。
何となくの気味悪さは描写をさらに幻想的なものにしているのだろうか。
また、「きみ子」と表記しているところもあれば「彼女」としているところもある。これは主人公・彼との距離感を示しているのか。あるいはそんなに深い意味はないのか。
 
いずれにしても、どう感想を書いてよいのかわからない作品だった。
 
変態と文豪は紙一重?
他の方々の感想や宮澤さんの解説に学びたい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?