落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『脳科学者の母が、認知症になる』恩蔵絢子著~
脳科学者の作者が実体験をもとに書かれたレポート。この書籍の場合とりあげられたのは実母の認知症ではあるが、高次脳機能障害の当事者を持つ家族としても学ぶところが多かった。
○海馬が傷つくと、既に蓄えられていた記憶は消えないが、新しいことが定
着できなくなる。
「今ここ」の状況がわからなくなる。
見当識(今どこにいるか)に混乱。 判断力低下。
今までできていたことができなくなる。忘れたことを忘れる。自分の症状
の自覚がなくなる→感情的な不安
○(認知症にみる)攻撃性・徘徊→自分の役割、居場所が感じられなくなる
ことが大きな原因
不安を解消する感情面のケアが重要
*希望通りになることが大事なのではなく、どんなに小さなことでいいか
ら、失敗してもいいから
「自分に選択する余地があって責任を持って生活できること」が重要
=主体性の感覚
○デフォルトモード・ネットワーク
集中している時よりも、休んでいる時・リラックスしている時(=記憶を 整理するタイミング)の活動が高い脳の部位のつながり。
脳を活性化させるには :
× 眠るまなく課題に取り組む
○ 何も考えずボーッと散歩(いろいろな情報が入ってくる)
○デ・ブール(オランダの研究者)のレポートより
初期認知症患者が傷つくこと
(→それまで抱いていた不安がさらに大きくなる):
① 人前でミスすること
②家族に認められないこと
③家族が自分の代わりに全部やること
*失敗するかもしれないことを減らし、自尊心が傷つけられる機会を減らして、当事者の生活の満足感・貢献意欲・承認意欲を高めるサポートが重要。
○当事者の能力ではなく感情を見る
→認知症になっても、感情に「その人らしさ」があらわれる
当事者・家族ともに豊かな感情を持つことを考える。
人生にいろいろな感情を混ぜることが必要→遊び、交流、ユーモア・・・・・・
○当事者に「自由」を用意するとともに、介護者自身の「自由」を考えることが重要。