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企業noteのネタにならない、私たちの地味な1日。

弊社は平均年齢37歳、パリピ率0%、そして3人しかいない会社です。

よって、リゾート地でワーケーションを兼ねて行われるマネジメント合宿や、大きなホールを貸し切っての社員表彰イベント等、企業noteのネタになりそうなことは何も起こりません。

少しでいいから華やかな話を...と思いを巡らせたものの何も思いつかなかったので、いつもの地味な一日をまとめてみました。

私たちが運営しているバーベキュー場TamariBaar(タマリバー)は川崎市の登戸エリアにありますが、本社は横浜にあります。

注意書きをしておきたいのですが、本社があるのは「YOKOHAMA」や「横濱」ではなく、「横浜」です。

私の中で「YOKOHAMA」は観覧車や夜景が美しいみなとみらい、「横濱」はマダムが集う元町や山手の洋館を指します。

そして、それ以外のほとんどの場所が「ただの地名としての横浜」。
私たちの本社は、その「ただの横浜」のとある小さな駅前ビル(築48年)の一室です。

この日は販促に関するミーティングを予定していたので、全社員(3名)が本社に集まります。

なお、本社のことは、みんな「事務所」と呼んでいます。「オフィス」と横文字で呼ぶメンバーはいません。

カタカナにはできない雰囲気の場所なんだな、とお察しください。

入居時はまず掃除から始まりました。この佇まいに「オフィス」という横文字は似合わない。

事務所に一番乗りするのはたいてい私で、ポストに届く書類の整理から一日が始まります。

必要な書類に交じりダイレクトメールが届くので仕分けながら捨てていきますが、かなりの頻度でアメックスからのダイレクトメールが届き、そのときはいつも開いてしまいます。

そして、「会社カードがアメックスって、めっちゃかっこいい・・・」と、世界中のラウンジをアメックス片手に渡り歩く姿を想像します。

もちろん年会費すら払えないので、妄想のあとはごみ箱行きです。

10時を過ぎると、2人目がやってきます。

「ういーーーす・・・」と言いながら事務所に入ってくるのは、子どもの保育園への送りを終えた夫です。
子どもが登園を渋った日は、この時点ですでにグッタリしています。

11時過ぎ、3人目がやってきます。

「・・・ーすーー・・・」という声とともに、全身黒ずくめの長身男が入ってきます。よっしーです。

なお、この二人から爽やかに「おはようございます!」と声をかけられたことは一度もありません。

ほぼ、最後の「す」しか聞こえません。

「挨拶くらいしっかりしなさい!」と高校生の息子に小言を浴びせる母親の気分になります。

そうこうしているうちにお昼の時間になります。
なんの有益情報にもなりませんが、3人の昼食について紹介します。

まず、よっしーが昼食に求めるのは「満腹感」と「節約」です。

彼の昼食は1本満足バー プロテインチョコ×2本(約300円)を5分で食べて完結します。秋以降は近所のスーパーで売られている焼き芋(約200円)が主食となります。

一方、夫の昼食は2~3か月タームで入れ替わる「筋トレ期」と「サボり期」によって異なります。

「筋トレ期」においては、常に低脂質・高タンパクを心掛け、プロテインやら鶏むね肉のサラダやらを主食としています。飲み物はもちろん無糖一択。

しかし、何かのきっかけで「サボり期」に突入すると「じゅわバタ塩メロンパン」や「ふんわりブール 練乳クリーム」といったカロリーの塊とも言える菓子パンを爆買いし、飲み物はミルクたっぷりのカフェラテに変わります。

ここ最近はGWの繁忙期をきっかけに筋トレに対する意欲を失い、「じゅわバタ塩メロンパン」を主食とする「サボり期」に突入しています。

最後に、私が昼食に求めるのは「栄養」です。

私の昼食は完全栄養食のベースフードと、それを流し込むためのスープ。

各々の食事を楽しみながら、雑談に花を咲かせるのが、事務所に集まった時のお決まりです。

ただし、「最近買った●●が良くて~」とか「あそこのお店が美味しかった」といった世間話ではなく、近所の自動販売機にやたらと貼ってある「男性募集 高収入 美熟女サポート」というポスターの正体について考察したり、最近BBQ場の近くで目撃した不審者について報告し合ったりといった、低俗な会話が繰り広げられています。

このまま一日が終わってしまいそうなので「じゃ、そろそろミーティングやりますか!」と私が声を掛け、「(うぃー)す・・・」という2人のやる気にあふれた返事とともにミーティングが始まります。

社内ミーティングはだいたい私がホワイトボードの前に立ち、ふたりは椅子から溶け落ちそうな勢いで腰かけています。

溶け落ちそうな座り方の例

この日のテーマは「氷のひろば」の販促活動について。

「氷のひろば」は直近の新規事業("新規事業"って言ってみたかった)で、スケートリンクの整氷時に発生する雪のような質感の氷を使い、子どもたちが楽しめる場所を作る企画のことです。

これは、ある日夫が思いついてそのまま実行に移したため、サービス名も決めないまま進んでいった企画でした。

「氷」を使って「ひろば」をつくるので、「氷のひろば」と呼んでいるうちに、なんとなくその名前が定着していましたが、今後多くの方に氷のひろばをお届けするにあたり、「イケてるサービス名を考えよう!」という話になりました。

弊社が運営しているBBQ場は「TamariBaar(タマリバー)」なので、それにあやかり「"氷のひろBaar"は?」と提案したところ、よっしーは無表情で一言。

「・・・だせえ・・・」

瞬殺されました。

私が何かにつける名前は、ことごとくよっしーに不評です。

過去に「スプリンター」という車種のキャンピングカーを購入した際、みんなが愛着を持てるように「すぷー」というアダ名を付けたのですが、よっしーは絶対に「すぷー」とは呼んでくれませんでした。

また、「コンストルクタム」という車種のキャンピングトレーラーを購入した際も、「コンちゃん」という愛称を付けたのに、よっしーは「コンスト」というちょっと略しただけの面白味のない名前でしか呼んでくれませんでした。

そういえば、昨年、登戸地域のお祭りに出店した時もそうでした。
「BBQ場のタマリバー」として出店登録したものの、さすがにお肉を焼いて売るわけにもいかないので、スライムを作って売ることにしました。

結果、予想に反して終日長蛇の列ができる大人気で、スライムを追加調達するためよっしーが登戸中のドラッグストアの洗濯のりとホウ砂を買い占めたという、弊社内で伝説となったイベントがありました。

よっしーから「色ごとにラベル付けしたいので、テキトーにこのスライムに名前をつけといてください」と頼まれたのは、鮮やかな赤のスライム。

その色から「元気はつらつ」なインスピレーションを得たので、私は「げんきっこスライム」とガムテープに書いてスライムを入れるケースに貼りつけたところ、よっしーはなぜか絶句していました。

そして、いつのまにか「いちごスライム」に書き換えられていました

問題のげんきっこいちごスライム

こうしてキャンピングカー、キャンピングトレーラー、スライムと、3回も私のネーミングは不採用となり、今回新たに「氷のひろBaar」がボツ案に追加されました。

その後、「やっぱりわかりやすい方がいいわ、もうこのままでよくない?」となり、ネーミングはもとの「氷のひろば」に落ち着きました。

その後夫から「ロゴを作ろう」という提案があり、氷のひろばのロゴなら雪だるまかな?雪の結晶かな?なんてアイデアがどんどん出てきます。

司会と書記を兼ねている私はみんなの意見を漏らさまいと、ホワイトボードに簡単なイラストを描いていきます。

それを見た二人はまた絶句。

私が描いた雪の結晶は「ミジンコにしか見えない」と言われました。

どれが雪の結晶かわかりますか?わかりますよね?

その後ディスカッションを重ね、最終的に氷のひろばロゴのモチーフは「ペンギン」に決定しました。

そして、よっしーの口癖が。

「じゃ、テキトーにつくっときます」

よっしーはやたらと「テキトーにやっときます」「まーテキトーでいいんじゃないすかね」と言います。

文字だけ見たら「テキトーとはなんだ!神は細部に宿るんだぞ!」と言いたくなりますが、よっしーの「テキトー」はその逆です。「テキトー」の意味を理解していないのかと疑うレベルです。

過去に「テキトーに作っときます」と言っていたタマリバーの入り口看板は、板全体にヤスリをかけ、茶色のベース色を3回塗り重ね、入念に下書きした文字をこれまた3回塗り重ね、仕上げに上からニスを2度塗りして仕上げていました。

私と夫が手伝いを申し出ても、100%断られます

そんな感じで、今回も「テキトーに作っときます」と言っていつの間にかできていたのは、氷のひろばのターゲットである小さなお子様が喜びそうな、可愛らしいペンギンのロゴでした。

あの見た目(長身黒ずくめ)でこのロゴを作る異様さ

大変な紛糾とタフな討議を重ね、ついに氷のひろばのロゴができました!

氷のひろばって何?と思われたら、ぜひこちらをのぞいてみてくださいね。

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