その地の食はじめ #まいにち土鍋
エネルギー残量閾値が警告を鳴らしているが、これは仮住まい(工房に関しては仮置き場)。引越し本番まであともうちょっと。しかも、その後にもう一回引っ越しが待っているのだ。
引越し業者は作品関係の運びはできないというので、自分たちでせっせせっせと東京から地方を何回も往復して運んでいるのだ。
その地のお惣菜
既に仮の住処は荷物でいっぱいだ。まだガスは通っていないしガスコンロも冷蔵庫もないから料理はできない。
ちいさな町のお惣菜屋さんに入る。
使い込まれて焦茶色になったアルミ打ち出し大鍋に、あらゆるお惣菜が並び、希望のグラム数に「はいよ」と応え、80代くらいの女性が味のある古風な秤に乗せて容器に入れてくれる。一瞬で子どものころにタイムトリップしたし、イタリアのハムや惣菜売り場にも世界旅行した。
馬肉の煮物や塩鱈の唐揚げがある。鯖も鰯も海のない地方だからだろうか、煮たり塩加工したものを揚げたりマリネにしたり。荷物や揚げ物のしょっぱさと甘さに、ちょっとびっくりした。海苔巻きはお醤油なしでいただき塩分調整。
お会計時「はい、ありがとうね、袋はサービスしておきますよ」と。最初から積極的に攻めてこない。一歩引いた感じだけど温かい。そんな人柄をあちこちで感じている。
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仮住まいに、うつわコッチョリーノは山ほどある。通い箱を重量挙げ選手のように挙げ下げしながら、お惣菜に合ううつわをいくつか選ぶ。
その地での食がコッチョリーノに入り、箱の上に工房の棚板を渡した即席テーブルに並んだ。森の道につづくには、まだまだだけれど、ようやく幕が開けはじめたような気がした。
8月16日(火)
盛る「耐熱ココットコッチョリーノ」
盛る「耐熱長板皿コッチョリーノ」
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