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土鍋は玉手箱 「保香」

ー夏をむかえるー

わいわいビールジョッキを傾けて大勢で乾杯できる日がくるのかな。

おいしいソーセージを買いに行きました。ビールも買いました。ソーセージ単品でもじゅうぶん楽しめますが、ザワークラウトがあれば、ビールの国に旅した気分になれるので準備します。

心の玉手箱をあけるための時間でありますように。
玉手箱料理を一品ご紹介しましょうか。


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ー土鍋は玉手箱ー

「簡単なごちそう」で夢みるために(おいしくビールを飲むためにでも、旅している気分を夢みるのでもなんでもいい)、玉手箱を目の前に置きます。

玉手箱というのは、土鍋のことです。
蓋を開けたら、季節や思い出が味や香りでよみがえる。

「土鍋といえば冬」というイメージは、地道な活動の結果なのか、10年ほどかけてだいぶ拭われてきました。季節の旬を炊き込んだり、煮たり。季節が一巡して、グリンピースの香りがしてきたら、また春がきたと思うでしょう。去年とは違う春かもしれない。切なくて胸が苦しくなったり、懐かしくて微笑んだり。


ー保香を活かした一品ー

夏をむかえるにあたり、今回ご紹介するのは、ビールのおともになるごちそうです。土鍋の「保温」「保冷」に加えて、「保香」を活かした一品です。


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*略式ザワークラウトとソーセージの蒸し煮*

発酵食品が大好き。ザワークラウトもそのひとつ。古代ローマ時代、キャベツを塩漬けにしたことから始まった保存食。ドイツとは限らず、東欧やポーランドでも味わいましたが、どれもおいしかったし、アルザス出身の友人Fがもりもり食べる姿は、食欲をそそりました。付け合わせとする食べ方が多く、ソーセージやベーコンと、香り高く煮込む料理も各地で見られます。



(写真2019年ポーランド)
右上にザワークラウトとソーセージ

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我が家は、略式で楽しんでいます。毎回ザワークラウトからつくるのは大変なので、できあいのもの(瓶詰めや缶詰)を気軽に使い、ソーセージと煮込む時間がなければ土鍋の余熱を使います。エコロジカルな玉手箱。土鍋のチカラを使って、保香を楽しみましょう。


①瓶詰めザワークラウトを土鍋にあけて、カップ1ほどの白ワインでぐじゅぐじゅ煮込んで水気を飛ばしながらクミンシード、キャラウェイシード、フェンネル(スーパーのスパイスコーナーなどで売っている)など入れて香り立たせ、火を止める。必要であれば塩胡椒で味を整える。
②隣のコンロで、同時にソーセージを焼く。(茹でてから焼くと速い)
③1の熱々の土鍋に2を乗せて蓋をする。余熱を活かしソーセージを蒸し煮する。

※土鍋は余計な水分をほどよく飛ばします。



あとがきコッチョリーノ

▶︎「春を炊く 」「秋を炊く」につづき「夏を炊く」として夏土鍋の使い方を紹介していきたいと思っています。▶︎余熱調理を活かしたエコ料理、もっとおいしくなるための保温や保冷に加え、この夏はさらに幸福感を増量させる「保香」の興も提案していきます。▶︎昨日は定期的に通っているお寺での映画鑑賞会で「C'EST POSSIBLE(セ・ポシブル)」鑑賞。▶︎未来をどう生きるか。私自身は「オルタナティブスクール」的なものに注目し種まきとして幼から高校まで息子に体験してもらいました。大人の意見を伝えるばかりでなく、子どもの根っこから変わってもらえればと願って。▶︎明日の玉手箱の中身を開けるのは、子どもたちです。私たちは、玉手箱の中に心のこもった何かを残すことしかできないのです。(コッチョリーノ 我妻珠美)



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