土鍋で炊くイタリア「アックアコッタ」
直訳は「クチーナ・ポーヴェラ」=「料理・貧しい」だが、貧乏料理という意味とは少しちがう。地産地消(地の限りある素材)、あるいはその地や気候に適した素材、つまりは嘆きというよりポジティブに「安い食材」(または出費なし)でつくれる料理という思いがこめられているのだと思う。
ひるがえせば、そこにないものを時間やお金を要して調達したり、見栄をはらないという意味の、ありのままの地元料理。クチーナ・ポーヴェラが好きなのは、飾りのない味がするから。
水で煮るという意味のスープ「アクアコッタ」
タマネギ、セロリ、ホールトマト缶があればできる「アクア・コッタ(水・煮る)」を土鍋でたっぷり作って食べた。硬いパンがあればさらに喜ぶべき料理。スープに沈めるパンにチーズとポーチドエッグを落とせば味わいが立体的に!
毎日の食材を切りつめて料理をつくっていた修行時代、イタリア人に口伝えで教えてもらった料理のひとつ。日本人という外国人がつくる料理ではあるが、等身大のわたしらしい味がした。
レシピには「可能であれば陶の鍋で」とあるので一層の喜びを持って、何度でも土鍋でつくりたいイタリアの家庭料理のひとつだ。
参照レシピ(伊語)
https://www.nonsprecare.it/ricetta-acquacotta-minestra-zuppa
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