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【アンテナショップオープン物語Vol.2】アンテナショップだからこそ届けられる日本酒


世界初の酒粕ブランド「無垢」をメインに展開していく玉乃光のアンテナショップ。

もちろん、酒粕だけではなく、日本酒も、アンテナショップに実際に足を運んでもらうことで楽しんでもらえる仕掛けをたくさん用意しております。

今回は、アンテナショップだからこそ提供できる日本酒について、お話したいと思います。


玉乃光の日本酒

このnoteでは何度かお話していますが、玉乃光は戦後の米不足で醸造アルコールが主流になった中で、業界に先駆けて「純米酒」を復活させた酒蔵。

以来玉乃光は、純米酒だけを製造し、その味わいを守り続けてきました。

ただ、一言で純米酒だけを作っていると言っても、純米酒の中にもたくさんの種類の日本酒があります。

その中でも、様々な理由で一般流通には出せないような純米酒を、アンテナショップ限定で販売したいと考えています。


【アンテナショップならではの日本酒①】正真正銘のできたて「生酒」

純米酒に限らず、日本酒の味を正しく保つためには、本来は保存方法に慎重に気を配らなければなりません。

例えば、温度。

できたての日本酒には酵母や麹の酵素が残っているので、温度が高い状態で保存されると、酵母や酵素が元気になってしまい、出荷後も発酵が進んでしまいます。低い温度で保存しないと、どんどん味が変わってしまうのです。

保存方法を間違えて最悪なのは火落ち菌と呼ばれる乳酸菌。

火落ち菌が繁殖すると、色も白濁し、味もすっぱくなり、ツンとした特異臭がでてきてしまいます。


そういった味の変化を予防するために、基本的な日本酒の製造工程には、「火入れ」という65℃くらいに加熱する低温殺菌工程が取り入れられています。

できた日本酒に火入れという加熱処理をして、菌を酵母もろとも殺してしまうことで、常温保存でも発酵が進んだり、火落ち菌が繁殖することを防ぐことができます。


ただ、65℃くらいの低温殺菌とはいえ、火入れを行ったお酒は、その分フレッシュで生き生きした味わいが無くなってしまいます。


そんなフレッシュな味わいを残すために、あえて火入れをせずに出荷するお酒もあります。

それがいわゆる「生酒」と呼ばれるお酒です。

上述したようなことが起きないように、クール便で要冷蔵商品として発送される生酒。

ただ、やはりできたての状態の味を保つのは、簡単な話ではありません。


お客さんの手元に届くまで、完璧に保存がされていたら問題ないですが、流通の過程ではあらゆるところで管理されます。

運送屋さんや居酒屋の保存方法、自宅での保存方法…

どこかがひとつでも間違えていると、味は確実に落ちてしまうのです。

つまり、生酒は、出荷時はおいしくても、流通の過程で味が変わってしまうことが多いのです。

だから、酒蔵からしても、「生酒」の販売はリスクが高くてなかなか手を出しにくいものでした。


ただ、アンテンショップは違います。

例えば、その日にできたものをそのままアンテンショップで販売することだってできるんです。

流通リスクが無いから、確実に美味しいお酒を届けることができる。

そんな正真正銘の「生酒」を味わえるのは、アンテナショップならではです。


【アンテナショップならではの日本酒②】お客様と一緒に作るチャレンジ酒

以前noteでも書いたように、玉乃光は准ナショナルブランドの位置にある酒造メーカー。

地元に根付くだけでなく、コンビニやスーパーへの流通まで行っているので、新しくお酒を作るときは、7,000本~9,000本のロットを考えます。

ということは、なかなか新たにチャレンジしたお酒を出しにくい。

一回でたくさん作るので、失敗ができないんです。


小仕込みと言って、2,000本~3,000本ほどのロットで作る場合もありますが、少なすぎて、今度は流通に回しにくくなる。現在の玉乃光の場合は、コンビニやスーパーに流通できないとなると、なかなかそこからの広がりを考えにくくなります。


また、お酒を一般流通に乗せる場合、規格という制約もあります。

純米吟醸、純米大吟醸を名乗るためには、あらゆる規格を乗り越えないと表示することができないんです。ラベルの表示義務もたくさんありますし、結構ルールが厳しいんです。


ただ、アンテナショップで売る分には、ロット数や、規格を気にせずに挑戦ができます。

例えば、純米吟醸、純米大吟醸という名前を謳わず、
「こういう意図で新たにチャレンジしたお酒です。一度味見をしてみてくれませんか。」とか、

サステナブルな取組にもチャレンジしてみたい。等級がつかなかった規格外米(中米)を使って仕込んだお酒とか。オーガニック酒米で仕込んだお酒とか。オーガニック酒米の取り組みはこちら↓


アンテナショップに実際に足を運んでくれた人に飲んでもらって、率直な意見をもらいたい。

そして、その評判が良ければ、商品化を目指していく。

こんな風にどんどんチャレンジして、お客さんと一緒に美味しいお酒を作り上げていきたいと思っています。


【アンテナショップならではの日本酒③】日本酒の裏にあるストーリー

そしてもうひとつ、アンテナショップだからこそ楽しんいただけること。

それは、日本酒の裏にあるストーリーを実際に言葉で聞いてもらいながら楽しんでもらえることです。

どんな酒米で、削り○%でとかそういったスペック的な説明だけではなく、製造に関わる人の想いや、酒米を育てる農家さんの努力、伝統や歴史、そういったものを知っていただくことで、お酒の味わいがぐっと変わると思います。

ストーリーを心で感じることで、一口飲んだときに染み渡るものがあるはず。

そんなストーリーを心いっぱい楽しめる場になればいいなと思っています。



できたての生酒、流通の制約を受けないチャレンジ酒、そして、日本酒造りの裏にあるストーリー…

そんな “ならでは” の日本酒が楽しめるアンテナショップは、3月1日オープンです!

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