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マンダラ×ビジネス④曼荼羅の教え

*この記事は、レポートを元に制作しています。


曼荼羅の智慧をビジネスに活かす
―曼荼羅的思考から探る人的資本経営の新たなアプローチ―

2.曼荼羅について:曼荼羅とは何か、何を教えているのか
2-3.曼荼羅の教え:個と全体の関係性―重重帝網の思想―

曼荼羅を代表する思想として、個と全体の関係性が表現される点に注目して取り上げたい。

近代科学では解決できない問題が立ちはだかる現代だが、松長氏は科学と東洋を比較し、「近代科学技術文明は、個の集合体が全体を構成すると考える。一方、東洋の文明には、個の中に全体が凝縮されると考える思想がある」と整理する。

そして「全体が個を包み、また逆に個が全体を包み込む譬え」として、重重帝網の思想[i]を取り上げている。

地球や宇宙に当てはめて考えると、

地球環境の場合も同様に、個々の事物や生物の個体が単独に存在するのではなく、宇宙全体にかかわり合いをもち、相互に密接に絡み合って成り立っている

松長有慶『空海』岩波新書

ことも曼荼羅は伝えている。


[i] 重重帝網(じゅうじゅうたいもう)とは

インドの武神の一人の帝釈天の宮殿の豪華な天井に、無数の宝珠がきらびやかに飾り付けられており、それぞれの宝珠は網で相互に結び付けられ、天井いっぱいに光を発し、輝きわたっている。これらを帝網という。

そのように天井いっぱいに飾り立てられた珠は、その一つの珠にその他の無数の珠の光が包み込まれ、また包み込まれた無数の光が、他の無数の珠の光を互いに包み込み、無限の光が交錯し合っている。

この状態を重重帝網という。

松長有慶『空海』岩波新書



参考文献

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