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マンダラ×ビジネス⑤まとめ

*この記事は、レポートを元に制作しています。


曼荼羅の智慧をビジネスに活かす
―曼荼羅的思考から探る人的資本経営の新たなアプローチ―

3.人的資本経営につながる曼荼羅からの示唆

曼荼羅からの示唆のうち、人的資本というテーマと関連性の高いと感じた点は以下である。

●多様な仏が同じ組織に共存し、それぞれの役割と個性をはたらいていること
●それぞれが同時多発的に活動していると同時に、関連性や階層性も表されていること
●曼荼羅は一定の法則性を持って構成されていて、仏の配置によって性質が変化すること

さらに、着目したいのは密教のもつ多元的な価値観である。松長氏は

密教の考え方の基盤には、存在するものすべては、何らかの欠点をもつとともに、たといわずかであっても他者がもたない、独自の長所を必ず具えもつという見解がどっかと居坐っている

松長有慶『空海』岩波新書

という。

無数の価値基準を用意して、いずれかに当てはまるものはすべて取り入れていこうとする東洋文化の基本的な姿勢を、曼荼羅の思想の中に見出すことができる

松長有慶『空海』岩波新書

というこの観点を、現代の価値基準に照らし合わせるとどうだろう。
例えば、利益や生産性、GDPなど特定の価値基準への偏重による弊害を乗り越える上で、多くの価値基準を用意するという曼荼羅の思想が参考になるのではないだろうか。

今後も密教とビジネスが重なる点に着目し、先人から受け継いだ智慧が新たな着想につながるような視点を提供する研究に取り組みたい。


おわり



おまけ📕参考文献
引用したこちらの本。
薄くて読みやすい文体なのに、心に響く言葉がたくさん書かれています。
空海や密教についてまず1冊選ぶなら、これがおすすめ。

「密教では、相手の宗教的な信条、価値観、社会観などが異なっても、それらの異質的な面を取り上げて排除するよりも、まず相手のもつ異質的な面の優位性を認識することから始まる。空海はそのことを、現代の私たちの生き方の中に教えている」

帯より引用



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