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旅の伴にした本(25)ー地図をつくった男たちー明治測量物語

こちらもある意味“ものづくり”がテーマですが、ものというよりは「ものをつくるための土台」をつくった人たちのストーリーといえそうです。

角川ソフィア文庫『地図をつくった男たち 明治測量物語』山岡光治 著

文庫本としてはかなり情報量が多めの著作で、地図の製作はもとより、ある程度の土木に関する知識や19世紀後半から20世紀前半にかけての国内事情、植民地事情についても一定の見識が求められる内容となっています。

この件を踏まえて読み進めていけば、伊能図以来の国際レベルに相当する地図の製作がどれほど壮絶であったかが充分に堪能できます。まさに、地図を読むというよりは「地図をつくる」目線にどっぷり浸かった内容を楽しむことができます。

改めて思います。幕末から明治初期・中期の国づくりにかかわった面々の“熱さ”が帯びる熱量は相当のものであったということを。

ロマンやエレガントさとは相当の隔たりがある、奥深い世界をのぞいてみようと思うのならば、手に取って読んでみてください。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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