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夏休みの家庭学習時間は2学期を基準に組み立てる

さあ、夏休み!ということで、はりきって思いっきり勉強するぞ~と計画を作る子どもたちやご家庭もいろいろあるかと思います。なかにはスキルアップをめざす大人の中にも、この夏こそは!と気合を入れなおしている方がいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は「それ、学校に再び通うようになったらどうするの?」という視座からお伝えしたく、書いてみることにしました。
なお、週7+αで習い事や受験塾に通い詰めとなるお子さまやご家庭、24時間闘うのが前提となる〇パニーズ・ビジーマンのような方々は対象としておりません。主題は「家庭学習時間の組み立て」ですので、家にいる時間・自分でやりくりできる時間が短い方は、その時間を活かせるようになってからご覧いただければ幸いです。

おおむね基本的な学習サイクルを”学校があるとき”の状況として組み立てると下図のようなものが一般的になるかと思います。これを「学校があるときの週スケジュール」とします。

通学にかかる時間の多少によって差はあるでしょうが、地元の公立小中校に通う児童生徒であれば、平日の月曜から金曜まではおおむね7時半頃から16時頃、学童などに通う子供たちで帰宅が17時から遅くとも18時頃までの間が学校や関連施設にいる時間帯、つまり家にいない時間帯となるようです。
そして床につく時間は家庭の状況によりますが、早いところだと21時から22時頃、遅いところでも23時には寝るように促しているのが多数派のようです。
朝起きる時間はこれも家庭の状況によりますが、早くて5時台(6時前)、遅くとも7時には起こしているというのが標準と見受けられます。

そうすると、学校がある期間において家にいる(活動できる)時間は、長い人で6~7時間くらい、短い人で4~5時間くらいということになります。もちろん、塾や習い事に通っている人はその分だけ家を出ていたり、オンラインや家庭内の別の場所でそれに打ち込んでいることになりますから、さらに時間は短くなります。

すなわち、夕食を食べる時間や入浴する時間、寝支度する時間などを差し引くと、連続で確保できる時間というのは2時間ほどが精いっぱいで、3時間以上を連続で確保するのは案外むずかしいことに気づくのではないかと思います。一方で、1時間程度やそれ未満の時間はあちこちにありそうだということに気づくことができれば、それは大きな収穫であるといったん受け止めてください。

そこで、夏休みのスケジュールを週単位で考えてみましょう。
学校に行く時間は、受験塾や習い事に通っていなければ、ほとんどが「自分時間」になりますが、現代の小学生はもとより、中学生もこういった状況になるのは少数派だろうと思われます。もちろん、そういった時間は”家にいない時間”が増えれば増えるほど少なくなっていくわけですから、まずはクラブ活動や塾・習い事の枠として考えられるところをできる限り多めに埋めていきます。例えば、夏休み期間に隔週で3~4回参加する授業やレッスンがあるとしたら、それがない週もあるのと同じように埋めてしまう。家庭内で定期的にあるイベント(一定のタイミングで家族で外食に行く・旅行に行くなど)も、毎週あるものとしてまずは埋めてしまうのも有効です。
そしてこれを「夏休みの週スケジュール」とします。

そのうえで先に手を付けた「学校があるときの週スケジュール」と、いま手掛けた「夏休みの週スケジュール」を見比べてみると、双方とも家にいる時間帯と「夏休みの週スケジュール」だけ家にいる時間帯の2種類、家にいる時間帯を仕分けることができるようになります。一方で「学校があるとき~」だけ確保できる時間帯は、あまり多くなさそうだということもわかるかと思います。

夏休みの時だけ使える時間と2学期以降も使える時間を分けて考えよう

ここまでくれば、あとはその「家にいる時間帯」で何をするかを割り振っていくことで、おおむねのスケジュールが見えてくるようになります。
うまくやりくりできるようにするポイントは3つ。
まず最初に考えたいのは「夏休みだけできる内容」と「2学期以降も継続したい内容」に分けること。前者は「学校時間」が空いているところを活用し、後者は「双方とも空いている時間帯」に割り振っていくのが基本となります。もちろん、週によってその原則は崩れてもいいですが、できるだけ同じ曜日の時間帯には同じようなことをするのがおススメです。

そのうえで大事にしたいポイントの1つは「時間で分量を決めるのではなく、分量から最大かかりそうな時間を想定して、その時間内に終わりそうな内容をあてはめていく」ことにあります。
例えば、入試過去問を解く時間をとるのであれば、その問題で設定されている解答時間(20・25分から60・70分が大半)が物理的に必要となるので、手を付ける教科数や問題セットが多くなればなるほど時間がかかります。これも一気にやってしまうのではなく、実際の試験を想定して10分から15分の休憩時間をとるのがおすすめです。もちろん、家庭の状況に応じて食事の時間がはさまるようなものでもいいと思います。
宿題や復習をする場合は、その課題を完了するのにどれくらいの時間がかかるかをある程度イメージしながら分量を見極めましょう。適度な時間の設定がある場合はそれに従えばいいですし、ない場合は自分で何度か実際にやってみて、調整していくのもいいでしょう。
参考までに、自分が指示する場合は「わからない問題に出くわした場合は2~3分(高校数学の場合は10~20分を提示することもある)考えてわからなければ後回しや質問の対象とすればよい」としています。

もう1つは「土曜か日曜のどちらかは自分時間の設定をしない」ということ。もちろんこれは何もするな!というわけではなく、その週の月から金の間に消化しきれなかった内容や、翌週の先取りをしておきたい内容があるときに活用する「自由枠」として空けておくというのがねらいです。これがあることで、ガッツリ詰め込んだために消化不良を起こし、結局達成感が得られないという事態は回避しやすくなります。生活サイクルの関係で土日とも週の予定が埋まってしまう場合は、平日の火曜・水曜・木曜のいずれかを「自由枠」の日として固定するのがおすすめです。

こうやって夏休み6週40日ほどの予定をある程度組んでしまえば、あとはそれをこなしていくことで学習時間の積み上げは充分可能かと思います。
そしてそれをやりつくしたあとの達成感や経験値は、2学期以降の継続に向けたエネルギーの原資となるだけでなく、さらなるジャンプアップのための資産となっていることうけあいです。
積み上げようとするものはとてつもなく多く感じるかもしれませんが、ホントにそれを積み上げたあとの頂上から見える風景は、いままで見たことがないであろう格別のものであることを約束します。

こういった「やったもん勝ち」は、何度やっても気持ちいい価値観につながります。
計画を作る経験値だけでなく、それを実行しつくして実践した経験値を獲得していく。それにつきます。
まずは6週間、走り切ってみましょうか。号砲を鳴らすのは自分自身。ゴールテープを切ることができるのも、自分自身なのですぜ。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。


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