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ウーパールーパーを飼ってみて思ったこと


ウーパールーパーを飼って1年と9か月くらいなのだが、そのくらい経つと飼育のノウハウもはっきりしてきて、安定して飼育できるようになる。

外部フィルターに加えて、かけるタイプのフィルターには殺菌灯を設置。石巻貝やタニシを導入してフンを浄化。マツモやウィローモスも繁茂させて窒素分を吸収させる。
こうすることで水換えの頻度を極限まで抑えることができる。水換えが少なければ水が安定し、生物ろ過が十分に機能する。

ここまで贅沢な環境下で飼育されるウーパールーパーは、そんなにいないだろう。

さて、今回話したいのは餌の頻度に関わる問題なのだ。

前述のとおり、この水槽は水換えの頻度を極限まで少なくすることに主眼をおいている。
つまり、なるべく餌をやらず、ウーパールーパーを飢えさせるほうが良いのである。

ウーパールーパーの餌の頻度について調べると、毎日あげてるという(私からすると逆に虐待である)人もいるし、サイトによっては1週間に1回と紹介しているところもある。
我が家のウーパールーパーの餌の頻度は、10日~2週間に1回である。これはウーパールーパー飼育している人にとっても驚きかもしれない。そんなことをしたら痩せるのでは?と思われがちだが、そもそも両生類は体温を高温に保つ必要がないので、餌をたくさん食べる必要はないのだ。
多く食べれば肥満を生じ、寿命が短くなる可能性がある。

ここで私の場合、哲学的疑問が出てくる。
「ウーパールーパーは長生きする方が幸せになれるのか?たくさん美味しいご飯を食べた方が幸せになれるのか?」
「ウーパールーパーにとって、苦痛が少ない生き方とはなんなのだろう?」

人間にとっては、健康に生きることは幸せに即直結するので、なるべく元気に長生きしたいというのは当たり前かもしれない。

ところが人間以外の生物にとって、一番大切なのは子孫を残す事のように見える。
小さい水槽の中で一切出会いがないウーパールーパーにとって、まず第一の幸福は「無いもの」として扱われている。

次の幸せはご飯をいっぱい食べることだろうか?そうだとしたら、毎日大量にご飯をあげて早く死なせた方が幸せなのかもしれない。

あるいは、飼い主のことが大好きだから、なるべく長く一緒に居たいという気持ちがあったらどうだろうか。まずありえないことだが、無いという確証もない。

いったいウーパールーパーにとって何が幸せなのか・・・そこを追求することが、今後ペットを飼う上で大事な思想になっていく気がする。

ところで、この問題を人間に当てはめればどうだろう。
最近は「おひとりさま」と言って、家族を作らずに独身で過ごす人が増えていると聞く。
おひとりさまにとっての幸せとはなんだろう。
昭和時代であれば、子供が独り立ちするより幸せな事はなかっただろう。
だが、令和の時代になって人々は自分の幸せを追求し始め、その為に自殺を選ぶ人も多くなった。安楽死を望む人もいる。

例えば、自分の意思で「1か月後死にます」と決めてしまう事ができたら、大半の人が痛風発作起こすレベルで暴食するだろうし、ディズニーランドは死を望む人のために毎日デスパレードを行うだろう。
幸せの価値って、普通の人が自覚する以上に多様化してるってことか。

ウーパールーパーに人生を学ぶっていうのも不思議だが、なんかそういう色々な「生きる教え」を、彼から学ぶ事は多い。
ウーパールーパーが死んだときも、多くの事を彼から学ぶのだろうな。

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ペットとの暮らし

インターネットを渡り歩いてまだ6年、色々なカテゴリを楽しみ、「消費者」として生きています。 そんな文化の消費者の毎日思ったことアレコレを書いていきます。雑記。