傍観者

冬至。2022年も残すところあと少し。

子ども達は冬休みに入りました。
一年間元気に過ごしてくれた事に感謝。


今年は長女の入試から始まり、合格発表、小学校卒業、中学校入学と色んな事が矢継ぎ早に過ぎて行きました。


中学生になって、新しい環境で楽しい事も沢山ありつつ、悩み事も増えた長女。

私は以前よりも聞き役に徹する事が多くなりました。


彼女と私は全く違う視点で全く違う価値観で物事を見ているので、私のモノサシでのアドバイスはもはや不要で、むしろ私よりも人間性が高いんだろうなと思う事が多くあります。 



それでも時々彼女が背中をそっと押して欲しそうな時には「私だったら、」と前置きをして言葉を選んで差し出します。


最近で言えば


誰かが何とかしてくれるといいな、とか
私がしなくてもいいよね、って
傍観者で居る事よりも
どんなに小さな事でも、無駄だと思う事でも、
一石を投じる事で風向きが変わって人生に大きな変化が訪れるかもしれない。
例え何も変わらなくても、その時に一石を投じた事はとても大きな意味があると思う。


というような事を話した。


彼女は暫く静かに聞いていたけど、

「私はやっぱり傍観者では居たくない。何もせずに後で文句だけ言うのは嫌や。」って言った。
冷たい北風を受けてキリリと上げたその顔は、冬の陽射しに照らされあまりにも美しく眩しかった。

そうだね。

少しづつ少しづつ、家の外へと世界を広げて
ボートで漕ぎ出して行く小さな背中。

私はただそれを見守るだけ。


いつか誰かがその胸を深く傷つける日が来るだろう。
悔し涙が眠れぬ夜を濡らす日もあるだろう。


そんな時、彼女が私の事をふっと思い出してくれたらいいなと思う。




冬至。寒さは厳しくなるけれど、明日からまた夏至にむかって数秒づつ日が長くなります。








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