うっかり

今に始まったことではないが、長男はうっかりしている。失くし物や忘れ物が多くて、決まり事もよく忘れてしまう。

今日は友達と朝から遊びに出掛けたが、途中で自転車の鍵をなくしてしまったらしい。救いは、そんな長男のことを友人とそのお母さんが受け入れてくれることだ。本当にありがたい。

私は長男とはもうすぐ16年の付き合いになるが、またか…と思いつつ呆れ半ば絶望する。

ここ数日間の出来事を振り返ってみる。お風呂の蓋があけっぱなし、ふりかけのチャックがあけっぱなし、トイレの電気はつけたまま、飲んだり食べたりした残骸がそのまま、コーヒーをドリップして淹れたはいいけど淹れた後のコーヒー殻を床に放置、冷蔵庫から牛乳を出しっぱなし、靴下を適当に脱いで放置、ゴミをゴミ箱に入れない、読んだ雑誌を開いた状態で床に放置…、とにかく挙げればきりがない。

これはだめ、あれもできていない、何回言ったらわかるの、よく考えなさい、みんなが困るでしょう、信じられない…などなど非難する言葉ばかりが口をついて出る。

でも、響かないのだ、長男には。

だからまた同じことが繰り返される。

けれど、忘れずにやってくれることがある。それは、食洗機が洗った食器を食器棚に片付ける作業。仕事で忙しい私が少しでも楽になるようにと進んでやってくれる。

私がコーヒー淹れてくれる?と言うと、わかった!と言ってすぐに美味しいコーヒーを淹れてくれる。

私がイライラしていると、ぬいぐるみを持ってきてくれる。私はぬいぐるみをギューッとすると心が落ち着くのを知っているからだ。

「こんなこともできない…」方に目を向けるのではなくて、「こんなことができる!」方に目を向けたら、長男も私ももっと生きやすくなるのだろう。

#エッセイ #日記 #コラム



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