誕生日
誕生日の3日前。
お父さんが倒れた。
いつも元気なお父さんだったから、本当に驚いた。
驚いてはいたけど、自分は本当に冷静だった。
最悪な事態も予想できたし、
正直、お父さんともう会えないかもと感じた。
救急車に運ばれたお父さんは、微かに意識があって、私に
もうすぐ誕生日なのに…ごめんね…
って言ったのを覚えてる。
そんなの、どうだっていいんだよ。
お父さん、だから元気になってね。
私はぎゅっとお父さんの手を握りながら、ほろほろ泣いた。
思えば、誕生日って誕生日の人を周りの人たちがお祝いしてくれて、それが当たり前の事だと思っていたけど、
誕生日だからこそ、周りの人に感謝の気持ちを伝えたいなと思った。
自分の周りの人たちが、今まで生きてくれて良かったと。
バタバタしたそんな誕生日。
誕生日の日のご飯はコンビニ弁当だった。
ちょっと寂しさがこもった誕生日の次の日。
私は学校で働いている。
いつものように仕事をしていたら、
可愛い生徒が私の元へやってきた。
お誕生日おめでとう!!
そう言ってたくさんのお菓子と、お手紙をもらった。
手紙の最後には、
先生に会えて良かった。
その文章を読んで、また、涙を流した。
24歳。
周りの人をもっと大事にする、そんな1年にしたい。