禅寺

超左脳ニンゲンが瞑想をやってみた

高校一年生から理数科に入り、大学も理系学部のみの大学だったので人生の半分以上を理系人間の中で過ごしてきました。
自覚はなかったのですが、頭の中のおしゃべりがすごくてシーンと穏やかでいる状態というのがほとんどなかったように思います。それから国語が苦手で言語化が苦手なので自分は右脳ニンゲンだと思っていましたが、いろんな心理テストなどやるとどうやらそうではないらしい、と分かってきました。

大学院に入って、そのまま大学で働くようになり、毎日大量の論文を読み、意識がなくなるまで実験を続け、学会発表をして、論文を苦労しながら書き、という日々を続けながらも、同じようなことを考えて研究している人は世の中にいるわけで、何度も論文で先を越されて泣いたり、ということがありました。

要は私は「研究が好き」という気持ちだけで研究を仕事にして続けているけれども、世の中には天才秀才お金持ちのラボ、たくさんあって凡人の私が血の涙を流しながら努力しても、心身がズタボロになるだけで到底叶わないんじゃない?とある日気づきました。

そこから、ただイノシシのようにがむしゃらに研究をするだけではなくて、色々ともっと外の世界を見て(研究職というのは往往にして内に引きこもりがちなので、、、)他の要素を入れることによってもっと効率的に仕事を捗らせる、成果を出すことはできないか?と思い、いろんなビジネス書を読み漁りました。


1) 「アイデアのつくり方」を読んだ

1988年発行、というとても古い本ではありますが、根本的なことは全て書かれている名著だと思います。
詳細はこの本に譲るとして、(とても薄くて短い本なのですぐに読めます、翻訳本特有の読みにくさはありますが、、、苦笑)

「アイデアは既存の事実の組み合わせである」
「アイデアを作るにはまず
①情報をインプットして、
②自分の中で咀嚼(自分なりに理解する)したあと、
③そのネタのことを完全に頭から消し去って脳内で処理されアウトプットが出てくるまで待つ

というようなことが書かれています。
私は特にこの③ができずに苦労していました。
意図的に思考ループから抜ける、という概念がそもそもなく、とにかく考えて考えて考え抜いた先に答えがある、と思って生きてきたからです。


2) 禅寺での坐禅との出会い

全く瞑想には興味がなかった上、知識としてもなかったのですが、頭をからっぽにすることには漠然と興味がありました。
そんな時、10年ほど前に母と二人で京都を旅行中、たまたま夕食を予約していた時間までぽっかり時間が余ってしまい、その時たまたま目の前の行く予定のなかった禅寺で「坐禅体験、無料」という張り紙を目撃し、開催時間もちょうどまさに今始まり、予約の時間までに終わるというぴったりさ(?)でした。
そこで、せっかく京都来たんだし試しにやってみようよ、と飛び入りで母と坐禅体験に参加しました。(お寺の名前は忘れてしまいました 汗)
全く何も知識もないまま、大きな畳のお部屋に通されて、30人くらいで坐禅をして一時間とにかく座る、というものでした。その間、お坊さんが巡回しており、寝落ちなどでふらついていると例の棒(警策(きょうさく、けいさく)というそうです)で肩をチョンチョンとされ、ビシッとやられるやつです。(宗派によって色々お作法があるそうです)

とにかく叩かれるの怖い、というのと(結局叩かれませんでした)、初めての坐禅でいきなり1時間黙って座り続けるというのは中々ハードな体験でした。
途中までは1時間長いなぁ、、、と思ってましたが、最後の方は不思議と頭がからっぽの状態に近づいて来て、気付いたら終わっていました。
これが坐禅や瞑想の狙いなんでしょうけど、目を閉じて視覚からの情報をシャットアウトすることで、思考に回るだけの情報が足りなくなって来て、段々考えることがなくなってくるのかな?と思いました。

この体験で坐禅に興味を持ち、瞑想系の本を色々読んでみました。

3) 読んだ坐禅の本

こちらは基本的な坐禅の効果や方法などが丁寧に書かれていて入門編としてはとてもオススメです。

こちらは田口ランディさんの小説で、若い女の子が坐禅を通して変わっていく様子などが描かれています。ちょっと堅い本よりも、ゆるっと読めるのでおすすめ。


4) 実際に瞑想をやってみた

色々本を読みつつ、自分でも瞑想や坐禅をやってみました。
しかし禅寺での坐禅体験とちがって、自分一人で時間を作って坐禅をやるのは難しいな、と感じました。
瞑想のアプリなども色々試してみましたが、一番合ったのは雲堂というシンプルなアプリでした。

それでも中々一人では続かないので瞑想のセミナーなどにも参加しました。
それから誘導瞑想の音声データなども利用しました。

最近心身不調による睡眠障害で心療内科で投薬治療を受けているのですが、寝る前に瞑想をやる日は自然に入眠ができ、朝もすっきりと目覚めることができました。

1人でコツコツ続けることも大事ですが、上手くいかないなぁとか、これでいいのかな?と思ったら人に習うのも大事だなと思いました。

中々、子育て中だったりバリバリ組織の中で働いていると、ゆっくりと頭をからっぽにするための自分の時間を取るのは難しいですよね、、、(続かない1番の原因はこれかと 汗)
しかし、瞑想によって頭の中に余白・スペースを空けることで、より気持ちが穏やかになったり、新しいアイデアが浮かんだりすることは既にあちこちで証明されていることですので、(散々読んだビジネス書にも、良いアイデアはお風呂でくつろいでいる時や、そとを散歩してリラックスしているときに突然にやってくるものだ。(だからいつでもメモができるように準備しとけ)と書いてありましたし)
これからもできるだけ継続して瞑想を続けていきたいと思っています。

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