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ruby heart dreaming『西暦2022年の印象』を聴いて。

ライブに遊びにいったことで、宮下無双氏率いる"ruby heart dreaming"の新作『西暦2022年の印象』をいただきました。以下、聴いたあとの雑感。

【歌詞世界】

宮下氏はコズミックエイジのはずで(40代なかば?)、スター・ウォーズもスター・トレックもお手の物のはずだが、宇宙を思わせる歌詞は「螺旋惑星」(2曲目『螺旋病院』)くらいで、大気圏を越えない標高でのファンタジー世界が展開される。
それは、TTRPGやゲームブックのプレーヤーだった過去から連想される西欧/東洋的幻想(4曲目『さらばおやすみ』「僕らの涙あつめて明日の国へ」。5曲目『晩夏』「君の胸から命を受け取り 僕の胸から命を返すよ」)
しかし、3曲目の『陽が沈むまでそばにいて』で歌われる「壊れた大地で踊ろう 未熟な願い事を叶えよう」という歌詞の力強さ、現実と戦う意思。宮下氏が年輪を重ねた強さを感じる。

【ヴォーカリスト宮下無双】

しかし、音楽なのだから、歌詞カードを読んでいても始まらない。このアルバムで確立されているのは、メロディメイカーとしての強烈な個性、出自が分からないほどの歌うたいとしてのオリジナリティ。形容詞が足りなくて追いつかないのだけれど、前作よりも更に進んだと思う。

【演奏について】

クレジットを読むと、オールインストゥルメンタル宮下無双、ということだと思うのだけど、3ピースから4ピースのロックバンドの音像として、何箇所かステレオ配置に疑問をいだいた。具体的には、「ギター左、ハット左、タム右」の何曲か。客席からステージを見てると、その逆になるんですよ。

【ということで】

色々と書きましたが、このEPとしての重さ、5曲入りでまさに「西暦2022年の今」が切り取られている点が、ボリュームがちょうどいいのです。

フルアルバムを作りたい方でしょうけど、次作でずっしりしたものを作ったら、またいつかあっさり目の音源を作っていただけると、個人的な好みからはかなりツボです。それでは。

(このEPは東区馬出のライブスペース「Blowin」に置いてあるそうです。1枚¥500だったはず。)

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