質問力よりリクエスト力
9月は赤を基調としたアラビアモチーフなアレンジメントを作成したいと思いまして…モスクのアラベスク柄みたいな幾何学的な雰囲気のアレンジを作りたいなと思いまして。
それでいてシルエットは縦長なシャープな感じの…
これは先日、生徒さんから頂いたメッセージです。
モスク、アラベスク柄といえば、パッと思い浮かんだのがパリのカルチエ・ラタン。グランモスクです。
日本では、カルチエ・エラタンといえば学生運動で有名ですね。ラタンとはラテン語のことで、様々な国籍の学生が集まっていたので、講義をラテン語で行っていたことから「カルチエ・エラタン」(ラテン地区)と呼ばれたそうです。
高等教育機関が集まった地域であり、学生街でたいへん活気のある場所。ヘミングウェイが住んだアパートも、いまだ残っています。
さて、冒頭の生徒さんからのレッスン・リクエスト。質問をすっ飛ばして、いきなりリクストを切り出してきた事に、頼もしさをおぼえました。
先生と言われるようになってから、数え切れないほどの大量の質問を受けてきました。それは前向きな態度であるからこそ。そして、質問できる能力があり、それなりに知識がないと疑問点すら気付かないものです。
「こうしたい」「ああしたい」という欲求的リクエストは多いですね。しかし、「わかった」と、即答できないリクエストを貰ったのは今回が初めてではないかしら。
はっきりと、「こうしたい」と要望を相手に伝えるためには、かなりの主体性が必要です。クリエイティブに生きていく為に必要なスキルとも言えるでしょう。
菜根譚には、趣味を持つことの勧めが書かれています。
(16~17世紀に中国で書かれた本。漢方薬の指南書ではありません…笑 )
それは決して道楽という意味ではなく、何か悟るところがなければならないと厳しいご指摘。
新しい世界を発見し、己を再認識する事こそが趣味の醍醐味であると。
私は、自分が通ったパリのフラワースクールのように、活気のあるクリエイティブなものを目指してきました。それを形にするには、私自身の熟練と成長が必要な為、とても長い年月を要します。
少しずつ、クリエイティブな態度でレッスンに臨まれる方が増えてとても嬉しく思っています。そして、岡本太郎氏が言ったように、人間は生まれながらにアーティストなのだと、子供のフラワーレッスンを始めた事によって、その理解を深めることもできました。
さて、話は逸れに逸れました。。今回のようなリクエストに対し、生徒に「具体的なデザインを考えなさい」というのは、あまりにも先生の怠慢だろうと思うのです。彼女としては、自分のイメージを私に具現化して欲しいという意図があって、リクエストしてきたと受け止めています。
だから、なんとかそれを形にするべく、ここに書き記しておきたいと思いました。ええ、逃げも隠れもしません。
いやはや、難問を抱えてしまいましたが… 良いアイデアが浮かんだ方は、ぜひこっそりと教えてください(笑)。
9月のクリエイティブコースにご参加予定の方々、どうぞお付き合いくださいませ!
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