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【ハグには安心感🌸子育ては死ななきゃ良い🌸】

死にたい彼女なおちゃんがいよいよやってきました。
数年前からコンサートに来てくれては綺麗な字でお手紙をくれる可愛らしい女の子という印象だったなおちゃん。
少し前から体調や、心を崩しているといった手紙に内容が変化して、その後
LINE相談を受けるようになりました。
それからちょうど一年位が経っていました。

何度も何度もやり取りを経て共同生活をするとなったものの不安がないといえば嘘になります。

その昔留学生や家庭環境に様々な事情のある日本人学生を受け入れる共同生活をした10年間も、毎回新しい人を迎える前は緊張しました。

当時は私だけでなく他に共同生活するメンバーが8人近く常時居て、そこに新しく入ってくる人がどんな人なのかによって家の雰囲気が毎回大きく変わりました。
私は誰とでもだいたい共同生活に支障の出るタイプではありませんが、
私が良くても今いる他のメンバーのストレスになる人だっています。
そうならないように、また何より新しく来た人が疎外感を感じないようにするのが私の役目でした。

ですから毎回最初の日はとても大事でしたし、必ず私が出迎えるようにしていました。それでも揉めることは毎回のことで、その度に1番必要だったのはやはり、愛情と信頼でした。

そんな事を振り返りながら東京駅で3歳(当時)の息子と待っているととても不安そうに当たりを見回しながらなおちゃんがやってくるのが見えました。

私はとりあえずやってきたなおちゃんをしっかりと抱きしめて、
そして3歳の息子にも「ほら、お姉ちゃんにハグは?」と言ってハグをさせました。

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信頼って勝手に生まれてくるのでなく、自分から作るもの


日本人はあまりハグをしませんし、人によっては嫌がる方も多いと思います。
私はコンサートでサイン会などの時もそうなのですが嫌がらない方にはハグをするようにしています。
ハグをする意味としては

私はあなたが好きだ、または、私はあなたを拒否していない、また私の事も受け入れて欲しいという意思を言葉でなく伝えるには、1番わかりやすい表現になると思っているからです。

もちろん嫌がられる事もあって、ホストマザーの時代から切ない思いをする事ももちろんありましたが
それ以上に嫌がられない場合はお互いに安心感が生まれますし、私はあなたに向き合いたいと思っていると言葉だけでなく行動や体温で伝え、感覚に訴えるには1番の方法だと私は思っているからです。

なおちゃんは戸惑ってはいましたが嫌がらず笑ってくれ、「よろしくお願いします」と言ってくれました。
東京から高崎までの新幹線での移動では落ち着きのない息子がホームで走り出しなおちゃんを顔面蒼白にさせてしまいました。

面白かったのはあんなに死にたがっていた人なのに
子供が死へと突っ走る姿には恐怖を覚えたようでした。

私が今回なおちゃんを受け入れると決めた時、大きなポイントになるのは
私の息子となおちゃんとの関わり方だと思っていました。

つまり、息子を見てくれるなおちゃんに対して私自身がどこまでなおちゃんを信頼して、子育てをお願いできるか、その信頼をどう表現するか

ここがとても大きなポイントだと思っていました。

前回書いたように旦那さんから強く息子の安全には釘を刺されていましたし、
もちろん私も息子の事は大切です。

とはいえ、共同生活をする以上私自身も子育てを彼女に手伝って欲しいという思いもあったのでどこまで彼女を信頼して任せられるかも大事だと思ってきました。

少し偉そうな言い方をするなら、
彼女が仕事の話などをするときに自分を否定的に話すことが多く、仕事ができないといったような発言も多かったので、信頼して任せられるという事は、
今後の彼女の回復にすごく大事な事なのではないかと思っていました。

と、同時に彼女は自分に対してとても厳しい面がありました。

大雑把で適当で、いい加減が良い加減なんて言ってる私からすると
「そんなに気にしなくていいのに」と思うことが多く、
本当に細かく色んな事を気にしたりしていると感じました。

その事によって不安になったり窮屈になったり焦ったりして結局自分は何もできない人間だという負のサイクルが起こっているような気もしました。

怪我して泣いても死ななきゃ良い


なおちゃんに我が家で守ってもらいたい約束事としては
「この家では死なない」

「子育てを手伝って欲しい」
でした。
これはなおちゃんに関してだけでなく、
例えばお姑さんや、主人、またはベビーシッターさんに子供をお願いする時もそうなんですが

「人に預ける以上やり方にとやかく言わない」という心情が私にはあり

初めてなおちゃんに息子の保育園の送り迎えで頼んだ時も、子供に関しては
「死ななきゃ良い」でした苦笑

正直自分で子育てしていても、一瞬の隙にどこかへ消えてしまう息子はいつも恐怖の存在で、
どんなに必死に見ていたって頭はぶつける、こける、血が出るという事はよくありました。

きっと誰が見ていても怪我くらいはするだろうなと思うのです。
だから、なおちゃんには「自転車で少々こけても大丈夫!ヘルメットもつけているし、カゴも丈夫なものだしほんの少し怪我をするくらいだから何にも心配はいらない、死ななきゃ良いから」と言いました。

またお留守番の間にやたらアイスを欲しがる息子に困ったとしても毎日食べさせるわけじゃないから困れば食べさせても良い死ぬわけじゃないから

あなたを困らせようと泣いたとしても気にしなくて良い死ぬわけじゃないから泣かせておけば良い


事あるごとに、死ぬわけじゃないから少々のことは大丈夫よ

と彼女には伝えました。

その度に私も「そう!誰かと子育てをするって事は相手を信頼するって事がまずは大事なんだから」と言い聞かせていました。

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