見出し画像

快方に向かう感覚

このnoteは「玉城ちはる」と「なお」の共著です。
今回は「なお」の執筆です。

快方に向かう感覚

私は今まで、旅行をしたり誰かに会ったりすると、
次の日に激しく落ち込んだり、疲れて寝込んでしまったりしていました。
自分の言動に後悔することが多く、
また、単純に体力が追い付かなかったりしていたのだと思います。

ですので、今回ちはるさんに会いに行くのも少し不安でした。
就労支援事業所に5日間通った上で、土日月と、片道2時間以上かけて札幌まで旅行。
本当にできるんだろうか。
帰ってきた後にしばらく寝込んでしまうのではないだろうか。
行っている途中でも、急に落ち込んでしまったりしないだろうか。
旅行に行く数日前から、ずっとそういった不安を抱えていました。

実際行って帰ってきてみた今回はどうだったのかというと
全く不安は的中しませんでした。

全日楽しく過ごすことができ、疲れや落ち込みが出ることなく過ごせました。
また、帰ってきてからも元気で、リフレッシュできた感覚がありました。
リフレッシュできた、などという感覚はほとんど初めて得たもので驚きました。
次の日も事業所に通うことができたとき、すごくうれしかったです。
遊びに行っても仕事ができる。
そんなことがあっていいのかと思いました。

就労支援事業所に通い始めたことで、確実に自分に体力がついたことを感じました。
月曜日から金曜日まで、毎日外に出て何かしらの作業をすることで、
知らず知らずのうちに動けるようになっていたようです。
そのことに、大きな自信を感じました。
また働くことができるんじゃないかと思います。
確実に自分が快方に向かっていると思えました。

そして、旅行の楽しさ。
ただ純粋に楽しくて、それが終わった後も「楽しかった」とただそれだけを感じることができる。
そんなことがあるだなんて、今まで知らなかったのです。
自分の言動が気持ち悪かったかなとか、余計なことを言ったかななどと考えることもなく
リフレッシュができたので激しく疲れてしまうこともなく。
旅行というものはこんなにも楽しいものなのだと思いました。

これがずっと続けばいいと思います。
が、現実にはそうはいかないでしょう。
実際、その後に友人と会った次の日に寝込んでしまったり、
調子に乗って話してしまって激しく落ち込んでしまったりします。
だけれど、それでも、
一度でもこういった経験があると、とても希望になります。

いつか人と会うことを純粋に楽しむことができるようになる。
絶対になる。
だって一度できたんだから。

ただ、そう思いすぎると、そうできなかったときに自分にがっかりしてしまうので、
あまり意識はしないようにしています。
けれどもやっぱり希望になりました。

いわゆる「ふつうのひと」はみんなこうなのか、と思うと、
――もしかしたら違うのかもしれませんが――
すごいと思います。
赤ちゃんに初めて触れたことも含め、またこんな素敵な経験ができたらいいなと思います。

赤ちゃんの感触を知り、旅行の楽しさを知り、自分が物事を純粋に楽しめることを知った、
そんな旅行になりました。

このように感じられるようになったのは、
やはり二度群馬に行ったことが大きいのではないかと思います。
そこでコウちゃんと、そしてちはるさんと共同生活するという大きな経験を経て、こどもや赤子のまっすぐにただ生きている生き方を目の当たりにしたこと、また、自分をそのままでも広い懐で受け入れてくれるちはるさんやパパさんの存在。

このままでも大丈夫なんだと思えること。
今のままの私でもいいんだと思えること。

死にたい私が死にたいままでいてもゆるしてくれる人がいること。
死にたい私がただ生きていても、隣でもただ生きている人がいること。

無理に生きたいと思わなくたっていい。
無理に生きようとしなくたっていい。
死にたいまま生きていたっていい。

ちはるさんの子供たちと触れ合って、そんなことを思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?