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わが師の格言は『金は払うな!』(前)

#仕事について話そうで思い浮かぶ人

仕事について話そうで考えた時に、私の人生に強烈なインパクトを与えてくれた方がおられます。
高校生の時にバイト先の社長に紹介された、銭屋(ゼニヤ)さんと呼ばれていた方で、私の人生の師匠でもあります。

銭屋さんは、16歳の生意気な私に【仕事の考え方商売の考え方】を真剣に御指導くださいました。お陰様で高校卒業の頃には、仕事・商売の考え方は定着していました。

当時、私の時給は500円で、頑張っても1日5000円が限界でした。
金を稼ぎたい私は、初めて銭屋さんの仕事について行きました。

銭屋さんの最初の教えは、『金は払うな!』です。

それを聞いた私は、銭屋さんって、いつも薄汚れた作業着を着ているけど、服を脱ぐと桜や紅葉の漫画が背中に描いてる世界の人なの???


「金は払うな」を教えてもらいました。

最初に行った現場は、ブドウ農家でぶどうの枝打ちでした。枝打ちと言っても、ぶどう虫(枝に住み着く虫)をハサミで処理することがメインでした。

駆除する虫なのに『大切にしろ!殺すなよ!』しつこく言われて、銭屋さんは、変な仕事をさせる人だなぁ。

銭屋さんは、ブドウ農家から駆除費用と枝打ち料金・枝処理料を受け取り『虫が生きてるうちに帰るぞ!』で作業小屋に移動して作業開始です。

銭屋さん『ぶどう、貰ったで持って帰って食えよ。マスカット農家は儲かっとるな』『土、買ってもらうかの』って,図々しい人です。

作業小屋で釣り餌作りです。プラスチック容器に段ボールの端材と【ぶどう虫を20匹】入れて1パック完成。
【ぶどう虫】が高価な釣り餌になることを知りました。

ぶどう虫を取り除いた後の枝を肥料の中に混ぜる粉砕機に投入。粉砕された枝が肥料の材料として再利用できると認識しました。

銭屋さん『な、仕入れに金は払うな!わかっただろ』
仕入れに駆除費用と枝処理料・枝打ち料金を貰えば、出る金はない!

「貰って、貰って、貰って」出ることなしの衝撃的な出来事でした。

その日は、日当1万5000円もありました。16歳の私には、破格のバイトになりました(マスカット2房付きです)。


銭屋さん、衝撃の連続で刺激的でした。

銭屋さんの仕事は、まだまだ続きます。
次の日の仕事は【鶏舎の掃除と鶏糞の回収と肥料の作成です】とついて行くと臭い臭いの衝撃の臭いに喉が痛くなるほど強烈でした。

銭屋さん『鶏糞を鶏糞で売れば、鶏糞だろ』
『鶏糞を花の土に変えりゃ倍になるだろ。わかるか?』

また、意味不明なこと言う人だなと。

鶏糞を販売すると【どこも金額は同じ】しかも農家向けの販路しかない。
花の土に加工すれば、量は倍に増える・値段も倍で販売できるし、販路は園芸用の商品としてホームセンター・花屋の店頭にも並ぶ。

鶏舎の清掃代金と鶏糞処理料を貰って、花の土に加工して付加価値を得る。
ついでに卵を1シート(20個くらい)貰って

銭屋さん『卵、買わんで済んだわ(笑)』遠慮しない人。

銭屋さん『見えない物、無い物を売ることが付加価値なんだから』
『わかるか。世の中に売れない物はないと思っとけ!』
『如何に商売にできるか?考えることを止めたら負けるで』

臭いの我慢手当がついて日当2万円と16歳の私には刺激的でした。


事故の副産物処理で節約する

銭屋さんの別の顔は、事故のトラックを牽引車で修理工場に運んで、軽油を回収することです。近隣のトラック事故なら、何時でも牽引車を出動させてました。

事故のトラックから軽油をドラム缶に移します。溶接などの修理で危険性を除く為に一時的に抜き取り保管しているそうです。(危険物取扱者の資格が必要)ドラム缶を超える量は、銭屋さんのトラックに給油します。

銭屋さん『軽油が無料で金まで貰える最高じゃ。家の経費に金は要らんで』『金は払わんが鉄則じゃ』って、すごい人です。

銭屋さん『いろんな資格は必要やで、でも資格は何個あっても荷物にならんから、取れるうちに取っとけ!』
今思えば名言です。当時は、刺激的過ぎて気が付きませんでした。


まだまだエピソードはありますが、このくらいで終わります。

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最後までお読みいただきありがとうございました。






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私は、仕事があるので、生活は出来ています。サポートを頂いた時は、以前から活動している『聴覚障がい者の災害時避難サポート』に遣わさせていただきます。また、義足の方の靴バンクが作れればとも考えています。障がい者の方も心豊かに過ごせる世の中にしたいです。