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手織り布とすず竹のバッグ おしまい

梅雨といえば紫陽花の季節です
葉ばかり元気で2年連続花のない紫陽花、首を垂れるほど咲き誇るアナベル、柏葉紫陽花、そろそろお湿りも欲しそうな庭の木々の向こうには富士が聳えています。

竹はそよぐ音、見た目から涼を呼びます。
残念ながらここのところの温暖化で植生が変わりスズ竹が減ってきているそうです。温暖化は都市化によるところもあり、都市化は直接すず竹の生育に影響を与えます。道路が1本通るだけでその周囲の木々は影響を受けます。自然の山に人の手が入り大きな変化が起こると思いもかけぬところにも影響が出てくるものです。
スズ竹を採るとき、そこが一番気をつかうところなのだそう。これは河口湖のすず竹の作り手だけでなく自然相手の手仕事に携わるの多くの方が気をつけていることです。
道路が1本通るだけでその周囲の木々は影響を受けます。
一本の木、一匹の動物が森を変えることがあることはご存知の方も多いことでしょう。

たくさん採って、たくさん作って、たくさん販売することが成功かというとそうではなく、あまり採れないから驚くほどの高値をつけるというのも違っていて、人と文化と自然がうまく調和していくいい塩梅でこの伝統工芸を続けていけたらという気持ちを持って集って、そして何よりもおそらくスズ竹が好きなのだろうと思うのです。私が綿や麻や紡ぐことが好きなように。

冬青の花 5月の様子です
古代染料の一つ

川原や山に染料となる植物を採りに行くと、時には鹿と目があったり猿がいたり、動物もそこで必死に生きていて、お邪魔しますと思いながら必要なだけ、場所を変えながら虫に刺され、知らない傷をつけながら収穫します。それが上手くいったらもうあとは丁寧にこちらがサボらずに手を動かせば失敗などほとんどなく染まります。

今こうしてここに綴っているのは、そういうことを続けたければ思っているだけではなくて、知っていただく努力をしないと伝わらないと強く感じたことがきっかけです。
和綿やたで藍の畑の草取り、わた打ち、機支度、やることはてんこ盛り、頑張っていたらきっとわかってくれると自らに言い聞かせひたすらに動かすその手を止めてPCに打ち込む時間を割くことに後ろめたさを抱きながら・・・

もっと手に入りやすい安価なもの、量産されているもの、扱いやすいものと色々ありますけれど、それでも好きで楽しくて素直で元気な生き物から糸を作って布を織り続けます。その素材の良いところを見つけて触れていただけましたら幸いです。


上から見たバッグ
模様は2年前に収穫した和綿を紡ぎました


そしてもし余裕がありましたら、気に入っていただけましたらお求めいただけますと本当に嬉しく思います。



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