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地面を蹴らない(ランニングフォーム矯正)

ランニングでは、足で地面を蹴って進む、と思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、最近のランニング理論では、それは効率の悪い走り方とされているんです。

特に、動かしてはいけないのが、足首の関節です。
足首の関節は、直角に曲がった状態を背屈(はいくつ)、真っ直ぐ伸びた状態を底屈(ていくつ)といいます。普通に立った状態では足首は背屈状態で、そこから地面を蹴る時に足首を底屈状態にするのですが、この動きをしてはいけない、という事なんです。(つまり足首関節を動かしてはいけない、という事です。)

ランニングの理論がこのように変わった契機は、1991年の東京世界陸上だそうです。この時に世界の一流ランナーの走りを解析した結果、速いランナーほど足首の動きが小さかったそうです。100mで世界記録を出したカールルイスはほとんど動いていなかったそうで、それ以来、足首の地面を蹴る動きは速く走るためにはかえってマイナスだと考えられるようになりました。
(こう書くと気付きますが、これってもう30年以上も昔の話なんですね。)
あと、ケニア人やエチオピア人のランナーが日本の実業団や大学に多く所属するようになったのも大きな要因だと思われます。彼らは民族的に足首関節が硬いそうですが、足首の硬さが速く走るのに全くマイナスになっていない、というのも、地面を蹴る動きは要らないのだと知られる原因となっていると思います。(逆に足首が硬い方が速く走れるんじゃないかという説もあります。足首を動かすのがマイナスになるのなら、いっそ動けない方が良い、という事ですね。)

という事で、足首で地面を蹴る動きは速く走るのにはマイナスで、足首はなるべく背屈で固定して走るのが効率の良い走り方なんです。
なので、効率の良い走りをするためには、足首を動かさずに走るように練習する必要があります。

しかし、我々は走る時に地面を蹴るという先入観を持っていて、どうしても足首で地面を蹴ってしまう、そういう人は多いんじゃないかと思います。実は私は、足首で蹴るとかえってマイナスだという事を知らなくて、地面を蹴る動きを練習したり、ふくらはぎの筋肉を鍛えたりしてしまっていました。なので、地面を蹴る動きが癖になっていて、未だに完全に矯正できていません。なので、マラソンの後半でふくらはぎを攣りそうになって失速するというのを繰り返してしまっています。
つまり、「地面を蹴らない」というのは、私自身にとっても非常に大きな課題です。

地面を蹴らない練習

それで、地面を蹴らないように走るにはどうすれば良いのか、ですが、いくら蹴らないように意識していても、無意識のうちに蹴ってしまう癖がついてしまってるので、それを修正するのは大変です。
まだ、矯正が完全にできている訳ではないのですが、私がずっとやってきているのが、以下のメニューです。

引きつけドリル 改良版

引きつけドリルの時に、足首を底屈しないように(背屈で固定して)やっています。
引きつけドリルの時に足首を底屈すると、踵の先っぽ(下)でお尻を叩く事になります。一方、足首を背屈で固定して行うと、踵の上の方の面でお尻を叩く事になります。この両者の違いは叩く時の音が違うので分かります。

引き付けドリル改良版

この引きつけドリルの時に足首を固定できると足首を返して地面を蹴る動きを矯正できると考えられます。
というのは、地面を蹴る動きは接地の最後で行うものなので、足が地面から離れて最初に行う(べき)動きである引きつけの時に動かしてなければ、その直前の接地の最後の時も足首を動かさない事になるだろうと思われるからです。

だいぶ練習したので、今では引きつけドリルをする時に無意識で足首を固定した動きをするようになっています。

足の親指を持ち上げて走る

足の親指を「チョキ」のように持ち上げ、足の人差し指の上に乗せた状態にすると、母指球で地面を押すのが不可能になります。その状態で走ると、地面を蹴って走るのが難しくなります。
それは、地面を蹴る時、母指球で地面を強く押すから、だろうと思います。なので、親指を持ち上げて母指球で押せなくすると、地面を蹴って走らなくできるのでしょう。
実際のレースなどで、こうやって走るのは現実的ではありませんが、練習でこれをやって、蹴らない走り方を癖付けていこうという練習ですね。
(この練習は大学で陸上部だった人から教えてもらったものです。実際にこれでタイムが良くなったりしているそうです。)

この練習は、足指周りに余裕のある靴を履いている時か、もしくは裸足で走れる環境でやると良いと思います。



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