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「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」 ライナー・ヴェルナー・ファスピンダー 監督作品「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品
大好きなファスビンダーの作品「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」は昨年、菊川のストレンジャーで観たのが初めてでしたが、この作品をオゾン監督がリメイクした「苦い涙」公開された年でした。
「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」ライナー・ベルダー・ファスビンダー監督作品
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2度の離婚に失敗し落ち込むもののビジネスでは、成功を収めているファッションデザイナー
ペトラ・カン・フォントは自宅兼アトリエで、奴隷のように使うアシスタントと住んでいたが、
友人が連れてきた若い女性に惹かれ、一緒に住み、自分のショーのモデルとして、彼女を引き上げようとする。ファッションデザイナーをファスビンダー作品の常連マルギット・カルステンが、そして、若い女性をその後、「マリア・ブラウンの結婚」や「リリー・マルレーン」など
ファスビンダーの後期のドイツ復興期を描いた作品のヒロインであり、その後ゴダールの「パッション」にも出演するハンナ・シグラが務める当時では珍しい女性の同性愛を描く映画。
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主人公は、若い女性に捨てられ、ボロボロになる、僕(しもべ)のように使ってアシスタントにも逃げられるというお話。
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彼の映画らしく登場人物全員が”曲者(くせもの)“で、ドロドロした人間模様が展開され、デザイナーの部屋の内装、70年代的未来派ファッションも見物。そして、The Walker Brothersの「孤独の太陽」(In My Room)が効果的に使われ、アシスタントは、彼らのレコードを鞄に詰め、彼女の家を去ります。
「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品
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こちらのリメイク作は、原題は「ピーター・フォン・カント」、ペトラがピーター つまり主人公は男性の映画監督に代わり、男色の話となり、若く不幸な生い立ちのモデルに翻弄されます。ひどい扱いを受けるアシスタントも男性に変わります。この作品では、“大女優”役でイザベル・アジャー二が、そして母親役は、ファスビンダー作にも出演したハンナ・シグラ目立つ以外は、登場人物やセリフもかなり原作に忠実。ドゥニ・メノーシェの好演もあり、著名映画監督が若いモデルに溺れる哀しみをコメディのテイストも含めて、テンポよく描かれ、同じくThe Walker Brothersの「孤独の太陽」(In My Room)も(主人公にとって)陶酔と深刻な響きで盛り上げてくれます。そして、主人公の映画監督がサングラスをかけるとファスビンダーあまりにもそっくり。そこで、「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」は、自らの男性関係で悩んでいたファスビンダー本人の話だと言われていることを思い出しました。
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