見出し画像

現代版 プリティ・ウーマン 始まりはラーメン屋 餃子がつなぐ縁

みなさん、プリティ・ウーマンは観たことありますか?
1990年に公開された大ヒット映画です。
何がそんなによかったのか。
私は姉が借りてきたDVDで初めて観ましたが、その時の衝撃はタイタニックと並びます。
いわゆる、シンデレラストーリーなのですが、主人公を演じたジュリア・ロバーツの天真爛漫さがとても生きていた映画で、相手が誰であろうと、あの大きな口を開けて笑う姿に、当時の女性たちはみな魅了されたのではないでしょうか。
私も初めて観た時は、いつかこんな出会いがあるのだろうか、と密かに願望を募らせていました。
小さい頃からウォルト・ディズニーの「シンデレラ」が大好きで、長期休みの時に何度も繰り返し観ていた自分としては、いつか、王子さまが、と心のどこかでずっと思っていた節があります。

訪れた現代版、プリティ・ウーマン


子供ころに密かに憧れていた王子さまとの出会いを果たした女性がいます。
シンデレラ・ストーリーが現実に起こるなんて、誰が思っていたでしょうか。
ですが、彼女の場合は映画の主人公よりはるかに悲惨で惨めでした。

時は2017年夏、東京都港区で人生でどん底にいる女性がいました。
女性は10年以上に渡る宗教のような職場にいた結果、とんでもない事件に巻き込まれていました。
こんな華やかな場所にいる女性に、一体何が訪れたのか。

それはーー二度目の逮捕ーーー。
それも、一度目とは全く状況が異なります。
罪状は“詐欺”という、今世間でも事件が増加し、刑も重くなってきているものでした。
一度目は特定商取引法違反。
一度目と比べても、はるかに重くなっています。
詳しい経緯について、後に記します。

女性が二度目の社会不在になった日はまだ寒さ残る二月のこと。
バレンタインを直前にした時でした。
そして、それから彼女が社会に戻ってきたのは同じ年の夏。
この約半年間の間に、彼女はその目で色々なものを見ました。
自分の愚かさ、人の温かさ、見たくない真実を。
弱さや脆さを身をもって痛感しました。

半年の間に季節は移り変わり、外に出る頃はすっかり日差しが強くなっていました。
彼女は中での体験をもって、この頃から
時間は永遠ではない
一緒にいてくれていることが当たり前ではない
自分のことを想ってくれている人がいることは有り難い、大切にしないといけない
と強く思うようになります。

時を2017年夏に戻します。
女性は港区に職場と家を置いていました。
当時職場は多額の借財を抱えており、自身の名義で組まされていたものもあり、自己破産をするかどうかの話をしていました。
そして、日々の生活もやっとでした。
貯金もない、家賃も何も払えない、この先どうしたらいいのか。
女性は思いつきます。
自分の体を売ればいい。

そうして、毎日アプリで知らない男性と、自分の体がいくらで売れるかやり取りを始めます。
素人は割り切り3が相場でした。
パパ活と言ったらまだ聞こえは良いですが、やっていることは映画の中の娼婦ビビアンとなんら変わりありません。
そして交際クラブにまで手を出し、一週間に2~3人会う予定を詰め込み始めました。
しかし、元の性質は生真面目、本来好きな人とでないと手を繋ぐことさえ抵抗感のある人間が、こんなこと、そう長くは続きません。
案の定、段々と心が疲弊してきました。

一体自分は何をしているのだろう。
そんな思いが強くなってきていた頃ーーー
全く無意味な男性とのアポの帰り、食事をしたはずが全く足りず、彼女は家の近くのラーメン屋に入ります。
普段はコンビニで何か買って済ませるところを、何故かその日はラーメン屋を選びました。
この選択が、彼女の運命を変えました。

餃子の出会い


席に付き、野菜ラーメンを頼みました。
時間は22時過ぎ、客もまばらで女性客は誰もいません。
ラーメンを食べている途中、一人の男性が入ってきました。
気配は感じたものの、全く気に留めませんでした。
男性は並びの、彼女から二つ席を空けて座ったようでした。
ふと、気が付くと視線を感じました。
横目で見るとーー男性がにこやかに笑っています。
そして言いました。
「餃子、食べませんか。」

これが彼との物語の始まり、
現代版プリティ・ウーマンの始まりでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?