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お手洗いランチの極意

便所飯とは読んで字の如く、便所でご飯を食べることだ。字面が汚いので「お手洗いランチ」と呼ぶことにしよう。

高校生の頃、オーストラリア留学をした。
留学先ではパンダのように可愛がられたが、授業の英語についていくので必死だった私は休み時間は一人でひと息つきたかった。
そのため、パンダ扱いをされ無くなるまでの3ヶ月ほどお手洗いランチ生活を送った。

衛生的にはおすすめしないが、前後左右を壁で囲まれた場所で心の不安定を解消したい時にはぴったりだ。

今回は過去の自分がトイレで快適に食事をとるために知っておきたかった事を5つ紹介しよう。


1)過疎トイレを選ぶ

休み時間の度に行列ができるようなトイレは選んではいけない。
他の利用者の迷惑になるし、自分も落ち着いて食事を取れない。
私はオーストラリアギャルJKたちが時々メイクを直しに来るだけの過疎トイレがお気に入りだった。薄暗かった。


2)蓋付きを選ぶ

便器に物を落とした時の絶望を味わったことがあるだろうか。
個室トイレの快適さに目覚めると、食事をとった流れで単語帳を開いたりもする。人によってはイヤホンで音楽を聴くかもしれない。トイレに長居すればその分物を落とすリスクは高まる。
お手洗いランチには蓋付のトイレがおすすめである。


3)箸はNG

お箸でご飯を食べるのは食事環境が整っているからこそできることだ。
本来食事をする場所ではないお手洗いランチではおにぎりやパンを選ぶのが無難だろう。(留学先がベトナムならバインミー、メキシコならブリトーなどでもいいと思う)


4)心を込めずにお弁当を作る

お手洗いランチにおいて、心を込めてお弁当を作るのはご法度である。
手間や愛情がこもっていればいるほど切ない気持ちになる。お弁当とトイレにいる自分のギャップがきつい。
お手洗いランチ初心者の頃はサンドウィッチに大好きな卵を挟んでいたが早々にやめた。


5)惨めぶらない

最近では、陶芸カフェ、ボードゲームカフェ、間違い探しを楽しめるイタリアンレストラン、など他の目的と合わさった食事どころがたくさんある。大きい意味ではお手洗いランチもその仲間だと言えるだろう。

「お手洗いランチなんて良くないよな…惨めだな…」などと思っている場合ではない。
せっかく手に入れた1人の時間と前後左右に壁がある空間を満喫するのだ。


以上の5点をおさえればそれなりに快適なお手洗いランチ生活を送れるはずだ。

過去の自分に言いたいのは、

トイレでご飯を食べることに罪悪感を抱く必要はないし、いつか机のある明るい場所でご飯を食べられる(食べたいと思える)日が来るので心配しないでほしい。

という事だ。


みなさんのお手洗いランチ生活がより健やかなものになりますように…



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