歩くということ

5月の暑さとはこういうものだったっけな。

そう思わせるような暑さだった。家を出たのは午前10時半頃。いつもとは反対方向のスーパーまで足を伸ばした。昼前だし、大丈夫だろう。そんな思いは歩いて早々、川に流れていった。

ほんの数年前は毎日のように歩いていたのに。雨の日も風の日も雪の日も。それが立った数ヶ月の自粛で、こうもくたびれてしまう自分にちょっと嫌気が差した。

あとどれくらい自分の足で歩くことができるのだろう。そんなことすら考えてしまった。

人生を80年とすると、ぼくはちょうど折り返し地点にいる。死ぬまで歩きたいけれども、事故や突然死にならない限り最後は歩けないはずだ。そう考えると、残りの40年のうち30年だろうか。それとも35年だろうか。いやいや39年なんだろうか。

考えても答えなんてでないのはわかっている。それでも考えてしまうのはぼくの習性だ。

どれだけバーチャルな世界が広がっても、手触り感を忘れたくない。だからぼくは歩きたい。

こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。