語彙力がないから

語彙力がないから〜

よく見かけるフレーズだ。

とはいえ、ものを書く仕事をしている人はあまりこういうことを言わないだろう。たとえなかったとしても。ぼくだって決して語彙力がある方だとは思わない。でも、そんなことは言わないし、仕事はできている。

もちろん語彙力はないよりあったほうが好ましいのは事実だろう。でも世界にある言語、とまではいかなくても日本語の語彙を完全に網羅するのは不可能だ。その量が多かろうが、少なかろうが、自分の頭の中にある語彙で勝負をしなくてはならないのである。勝ち負けではないのだけれども。

その語彙を増やすためにはどうしたらいいのだろうか。本を読むであったり、辞書で調べるであったりたくさんの手法がある。

ぼくがここ最近で実践しているのは、『最初に思ついた表現を使わない』という方法だ。

これは文字を書かなくてもいい。具体例を出そう。

朝、家を出たら冷たい風が吹いていて寒かったとする。そこで「ひんやりとした風が吹いていた」と思いついたのであれば、これは不採用。他の表現を考えるのである。

そこで思いついたのが、「冬の訪れかと思うような風が吹いていた」というフレーズ。これを採用する。

どこかの原稿や創作に使うわけではないけれども、訓練の一環として取り入れた。

少なくとも考える力は身につき、多少なりとも語彙力は増えるのではないかな、とほくそ笑んでいる。

こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。