もう少しゆっくりと

もう少しおおらかな時代に生まれたかった。

そう思うようになったのはいつからだろうか。記憶が定かではないけれども、学生時代でないことは間違いない。社会人になって、アルバイトではなくちゃんと働くようになってから、気づいたらそう思うようになっていた。

怒られるからとか、理不尽なことを言われるから、といったことが理由ではない。たぶん、こういったことはどんな時代でもあっただろう。武士の時代なら理不尽なことで打首にされたりもあったはずだ。そう考えると、今の世の中のほうが健全なのかもしれない。

では、なにが理由なのか。深く考えてきたことはないけれども、たぶんほかの誰かの不満やぐちを多く目にするようになったからだろう。

人間だから不満やぐちは当然誰しもが抱えている。仕事のこと、家族のこと、お金のこと、病気のこと、介護のこと、人間関係のこと……。

いろいろなところにそれは潜んでいて、何かの拍子で爆発する。ぼくだってそれは同じだ。でも、それをどのように解消するかは人によって違う。

たとえば、カラオケで発散する人もいれば、お酒を飲むことで忘れようとする人もいる。もしかしたら美味しいものを食べることで、いつもよりたくさん寝ることで、といったことかもしれない。

それはまさに十人十色。

そんななか、SNSにぶちまける人もいる。他人に聞いてほしい気持ちはわからないでもない。でも、それでいいのかなぁ。なんか生き急いでるなあぁ。と感じてしまう。

なんだか沸点低くない?

電車に乗り遅れてもいいから、ゆっくり行こうよ。そんなに慌ててどこへ行く? 

こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。